『さそり』水野美紀 インタビュー 2/2

水野美紀

「香港での撮影は、精神的に鍛えられた」

篠原とおるの原作コミックを梶芽衣子主演で映像化し、クエンティン・タランティーノなど、世界のクリエーターに影響を与えた『女囚701号 さそり』が、香港のジョー・マ監督によってリメイクされた。斬新なソード・アクションとなった本作『さそり』で、恋人の父親殺しの罪を着せられ、最強の復讐(ふくしゅう)者となるヒロイン・松島ナミを演じたのは、アクション女優としても活躍する水野美紀。初の香港アクションに体当たりで挑んだ水野が、撮影時の過酷なエピソードを明かした。

1 / 2


スタントの技術が実生活で役に立つことは……?

水野美紀

―― 水野さんは少林寺挙法を習っていたそうですが、その経験は今回役立ちましたか?

水野:少林寺よりも、倉田アクションクラブでの経験が役に立っていますね。高校1年生のときに1年ほど通っていたんですけど、それが一番の基礎になっています。

―― 今でも特別なトレーニングをされているんですか?

水野:週に1回、できる限りスタントのトレーニングをしています。とはいっても、格闘技や武道のような闘うためのアクションとは違う、きれいに見せるための動きなんですけどね。

―― ちなみに、その技術が実生活で役に立つことはありますか?

水野:舞台での動きや立ち方は、アクションをやっているのとやっていないのとでは違う気がします。実生活では……誰かに襲われるということがないので、あまり役に立つ機会はないです(笑)。一応、技術としては学んでいるけど、気持ちがついていかないかも。急に襲われて怖い! と思ってしまったら、そこから攻撃するのは難しいかもしれませんよね。

アクションは、気持ちが負けちゃうとうまくいかないんです

水野美紀

―― 恋人役のディラン・クォさんは、“台湾の速水もこみち”と言われていますが、実際はどんな方ですか?

水野:すごく大人しくて、マジメで繊細(せんさい)な方でした。この作品の中の優しい恋人のイメージと、まったく変わらないです。普段は無口ですし、本当にいい人でした。

―― 女囚のボスを演じた夏目ナナさんも、強烈な個性を発揮していましたね。

水野:ナナちゃんには本当に助けられましたね。彼女は一番過酷なアクションシーンで参加しているんですよ。でも、絶対に弱音を吐かないし、すごい頑張り屋さんなんです。アクションのセンスもいいので、ナナちゃんとの絡みはやりやすかったですね。撮影現場には日本人があまりいなかったし、戦友みたいな感じでキズナが深まって、今でも仲良くさせてもらっています。

―― 今回、香港アクションを経験して、新たな発見や影響されたことはありますか?

水野:香港は、セッティングも撮影もテンポが速いので、躊躇(ちゅうちょ)したり怖がったりするヒマがないんです。「よーい、スタート!」の声がかかったら、とにかくやらなくてはいけないんです。アクションって、気持ちが負けちゃうとうまくいかないんですよ。だから、いつも絶対できる! って、自分に言い聞かせていました。精神的にかなり鍛えられたと思います。




文:斉藤由紀子 写真:高野広美 編集:シネマトゥデイ

MOVIE INFO

解説

梶芽衣子主演で70年代にヒットした“女囚さそり”シリーズを、「ハード・リベンジ、ミリー」の水野美紀主演、「雨音にきみを想う」のジョー・マ監督でリメイクした異色アクション。謎の暗殺集団に襲われ、婚約者の父親殺しの罪を着せられて刑務所に収監された松島ナミ。看守の嫌がらせや他の女囚たちとの対立で過酷な刑務所暮らしを余儀なくされるが、自分を陥れた者たちへの恨みの情だけを拠り所に生き抜いていく。

インタビュートップへ