『HACHI 約束の犬』 リチャード・ギア インタビュー 2/2

「「犬の視点を描くために、僕がカメラを持って、映像を撮影しているところもあるんだ」」
渋谷駅で毎日仕事帰りの主人を迎え、亡くなってからも待ち続けるハチという名の実在した犬の物語が、『サイダーハウス・ルール』の名匠ラッセ・ハルストレム監督と、名優リチャード・ギアによって、再びスクリーンでよみがえった。今回、プライベートでも大の犬好きで、自ら製作・主演を務めたリチャードに、共演した秋田犬や撮影中のエピソードなどについて語ってもらった。
1 / 2
死は、夢を見ていることと大して変わりはない
―― 本作では死が描かれていますが、現在のあなたにとって、死はどういうものですか?
リチャード:死というもの自体にはそれほど恐怖を感じないが、苦痛というものには恐怖を感じるね(笑)。僕の概念では、死は夢を見ていることと大して変わらないと思っているんだ。なぜなら、夢を見て起きても、もとの自分のままだろ? 同じ人物を継続しているわけだ。生きることも、死ぬことも、その継続の繰り返しだと思っているんだよ。
―― 今年で60歳を迎えるそうですが、あなたにとって、何か深い意味を持ちますか?
リチャード:特に持たないかな。ただ、50歳になったときは、妻がパーティーを開いてくれたんだ。素晴らしい時間を過ごせたよ。家族や友人たちを全員呼ぶことができたし、知人とは言えないが、個人的に影響を受けた写真家、画家、作家たちなども来てくれたんだよ。だが、60歳になることは、そんな大げさなことではないと思うんだ。今のところは、チベットの先生と呼べる人たちと、誕生日を過ごすことになると思うよ。
今でもスクリーンで活躍できるのは、幸運なこと
―― 常にハリウッドの第一線で活躍していらっしゃいますよね。
リチャード:僕はなかなか、スクリーンからいなくならない俳優だよね(笑)! 19歳から俳優業を始めたんだけど、今でも生計を立てていられるのは、非常に幸運なことだと思っているんだ。ただ、人々が僕を観るために金を払っていることは、いまだに理解できないけどね(笑)!
―― 今後チャレンジしたい作品はありますか?
リチャード:今、5作品ほどやりたい企画があるんだが、この経済状況で、制作費が捻出(ねんしゅつ)できない状況なんだ。恐らく、日本の映画界も同じ状況だと思う。投資する仕事は、非常にリスクの高いものだからね。
文:細木信宏 編集:シネマトゥデイ
解説
長年、日本人から愛されてきた実話"ハチ公物語"を、本作の製作にも名を連ねるリチャード・ギア主演で映画化。監督は『サイダーハウス・ルール』の名匠ラッセ・ハルストレム。寒い冬の夜、駅で迷い犬になった秋田犬の子犬を拾い上げた大学教授のパーカー。彼は子犬をハチと名付け、愛情いっぱいに育てていく。1人と1匹はいつしか強い絆で結ばれ、ハチは1日も欠かさず駅までパーカーの送り迎えに行くようになるのだが……。

