『のんちゃんのり弁』小西真奈美 インタビュー 2/2

「小巻のように真剣に向き合ってくれる親なら、絶対信用できます」
人情味あふれる下町で人生のスタートを切った子持ち女性の力強い生きざまを描いたコミック「のんちゃんのり弁」が、映画化された。ヒロインを演じるのは、演技派として多くの監督から愛されている小西真奈美。これまで清純な役柄が多かった彼女が、とことん強気で頑張り屋の江戸っ子女性を力強く演じた本作。撮影現場での様子や、自身の人生観を語ってくれた。
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わたしのありとあらゆる面を引き出してくれる演出でした
―― 岸部一徳さん演じる飲み屋の大将に、料理の弟子にしてもらえるようをお願いしに行くときの演技が迫力満点でした。一歩間違えると、芝居がかってしまうシーンを、とても自然に演じていましたが、意識されたことはありましたか?
小西:あのシーンは、すごく力説って方向になりそうなんですよね。でも、31歳の女性が「弟子にしてください!」って頼み込むって、なかなかできることじゃないですよね。それをやっちゃえる、成立させちゃうには、かなりのパワーが必要になってくる。だから、ほんとに岸部さんが、「あ、すごいね〜。よくセリフ覚えたね」とか、「すごい芝居持ってきたね」じゃなくて、「何だこの人!?」って思うように本気でぶつかっていきました。
―― 実際に、すごく熱気のあるシーンになっていました。
小西:ありがとうございます! でも一回目のテイクの後、監督に「いいんだけど、あまりにも鼻息がフガフガしているから、もうちょっと抑えてみて」って言われちゃって(笑)。その後、もう一回撮ったんですけど、実際どっちが使われたかわからないんですよね(笑)。あの演技には、監督もびっくりしちゃっていました。終わったあとに、監督が絶句していて(笑)。わたしとしては「これ、どうなの? このお芝居はありだったの?」って思っていたんですけど、そしたら、監督が「いい〜〜!」って言われたので、ほっとしました。
―― 現場の雰囲気を盛り上げてくれる演出だったんですね。
小西:そうですね。それに、わたしのありとあらゆる面を引き出してくれる演出でしたね。ものすごくハードルの高い演技を要求されるけど、その分現場や作品への愛情が深いので、わたしも頑張ることができたんだと思いますね。
わたし自身、いろんなことをポジティブに考える人間なんです
―― 小西さんご自身と小巻というキャラクターの共通点は、ありましたか?
小西:わたし自身、いろんなことをポジティブに考える人間なんです。それから、悩んでいる時間が好きではないので、思い立ったら即行動しちゃう方なんですよね。その辺は、自分ともすごく似ていると思います。周りから見ると、「え? 大丈夫なの?」と危なっかしい部分はたくさんあると思うんですけど、自分はなんだかやれる気がしてしまう(笑)。だからまずやってみるってところは、共通していると思います。
―― この作品は、女性にとって人生をもう一度考え直させてくれる映画だと思います。小巻という役柄を通して、この作品で改めて学んだことがあれば教えてください。
小西:人ってそんなに器用じゃないから、愛情やパワーを注ぐ部分はすごく限られてくると思うんです。だから何かすごく大事なものを見つけたり、何かを守りたいって思ったときには、ほかの何かを捨てなきゃいけなかったり、切り離さなきゃいけないと思うんですよね。それをちゃんと捨てられるか、人生の大事なときに、ちゃんと決断できるかによって、生き方が変わってくるんだろうって思いました。
1 / 2 「彼女の生きざまが全部うそにならないような演技を目指しました」
(C) 2009『のんちゃんのり弁』製作委員会
取材・文・編集:シネマトゥデイ 写真:尾藤能暢
解説
「いつか読書する日」の緒方明監督が、入江喜和の同名コミックを小西真奈美主演で実写映画化した人情ストーリー。子連れの出戻り主婦が、厳しい現実に直面しながらも自らの手で人生を切り開いていくために懸命に奮闘する姿を描く。東京下町育ちの主婦、永井小巻。ダメ亭主に愛想を尽かし、一人娘ののんちゃんを連れて実家に出戻ってきたものの、職も見つからず貯金も底をついて早々に八方塞がりに。

