『ゼロの焦点』広末涼子 インタビュー 2/2

広末涼子

「待っていることが苦手なタイプなので、自分で答えを探し出します」

アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』の好演も記憶に新しい女優の広末涼子が、松本清張の同名小説を映画化した『ゼロの焦点』に主演した。新婚間もない夫が謎の失踪(しっそう)を遂げ、真実を知るために夫が消息を絶った北陸・金沢へと旅立つが、不可解な連続殺人事件に巻き込まれていく妻・鵜原禎子。ヒロインの禎子を演じた広末が、松本清張作品の魅力や豪華女優陣との共演、女優としての発見や禎子役を通じて気づいたことなど、さまざまなテーマで語ってくれた。

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現代の女性はパートナーを探す上でも貪欲になっている

広末涼子

―― 現代の女性が禎子を見て、どのような感想を抱くのか興味深いですよね。

佐々木:はい。それにしても禎子は相手のことを知らなさ過ぎたのでしょうね。それが時代であり、その時代の出会いであったわけですが……。あれだけ情報量が少ないだんなさんは現代ではおそらくいないですよね(笑)。そのころに比べると現代の女性は、自由で欲深くなっている側面があると思うので、パートナーを探す上でも貪欲(どんよく)になっていると思います(笑)。

―― 広末さん自身、禎子と似ているところはありますか?

佐々木:どうでしょうか(笑)。とにかく、彼女にとっては結婚が夢、幸せな家庭を築くことが夢だから、あきらめきれないわけですよね。あれだけ孤独で悲しみや恐怖も抱えながらも、東京に帰らずに、捜索を続ける。かなり強い人間じゃないと無理だと思います。わたしも待っていることが苦手なタイプなので、禎子のように自分で答えを探す行動力はあると思います。

あの時代を生きた女性になりたいと思っていました

広末涼子

―― 中谷美紀さん、木村多江さんとの、豪華3大女優の共演も話題ですね。

佐々木:本読みの段階から中谷さんと木村さんのお芝居がとても完成されていました。セリフを聞いているだけで涙が出てしまいました。自分が出ていないシーンで感情移入してしまい、自分のシーンで鼻声になるほどだったんです(笑)。わたしは話し方やトーンをまだ完全に固めていなかったので、セリフとナレーションの違いなど手探り状態でしたが、キャラクターはもちろん、木村さんは方言までマスターなさっていて圧倒されてしまいました。怖かったり、悲しかったりするのに、美しい……お二人とも、お芝居に不思議な説得力がありました。

―― 最後に『ゼロの焦点』はどんな作品に仕上がったと思いますか?

佐々木:自分が生きたことがない時代だったので、リアリティーを出すために表面的な所作や言葉などを事前に勉強して、あの時代を生きた女性になりたいと思っていました。撮影前はプレッシャーがありましたが、完成した映画は、思っていた以上に禎子だけでなく、みんなに感情移入できる作品に仕上がっていたと思います。3人の女性たちは性格も育った環境も異なりますが、少なくとも誰か一人に感情移入できる作品になっていると思います。




取材・文:鴇田崇 写真:尾藤能暢 編集:シネマトゥデイ

MOVIE INFO

解説

松本清張の傑作ミステリーを豪華女優陣の競演で映画化した松本清張生誕100年記念作品。結婚間もない夫の謎の失踪を発端に、不可解な連続殺人事件に巻き込まれていく若妻が直面する衝撃の真相を描く。出演は広末涼子、中谷美紀、木村多江。監督は「ジョゼと虎と魚たち」の犬童一心。禎子の夫・憲一は新婚早々仕事の引き継ぎのため以前の勤務地・金沢へと旅立ったまま帰ってこなかった。

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