『なくもんか』阿部サダヲ&瑛太 インタビュー 1/2

阿部サダヲ&瑛太

「家族には何があっても味方でいてほしい」

脚本家の宮藤官九郎が初めてホームドラマに挑戦したという、笑いあり涙ありの映画『なくもんか』。『舞妓Haaaan!!!』に次いで2作目の主演となる阿部サダヲが、今作では持ち前のはじけた演技に加えて、笑顔の裏に複雑な内面を抱える、陰影のあるキャラクターを絶妙に演じている。その阿部演じる主人公の、生き別れた弟を演じたのが映画にドラマに、各方面で引っ張りだこの瑛太。過去にドラマで共演して以来、互いの才能を認め合っているという二人が、それぞれが演じた役柄から本作のテーマとなる家族についてまで様々に語ってくれた。

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鏡の前で固まった笑顔を練習!

阿部サダヲ

―― 阿部さんは、前回の『舞妓Haaaan!!!』の単純明快なキャラクターと違って、お人好しな笑顔の裏に複雑な内面を抱えた人物を演じていますね。

阿部サダヲ(以下、阿部):『舞妓Haaaan!!!』の役は、考えるより先に行動する、全く違うキャラクターでした。今回は映画を観るお客さんに、主人公の笑顔は実は本物じゃなかった、恐怖や怒り、悲しみの裏返しだったんだ……というのをだんだんわかってもらえるようにしなきゃいけなかったので、そのへんは意識していました。だから固まった笑顔の練習を、鏡の前でしていましたよ(笑)。

―― 瑛太さんは、空気の読めないお笑い芸人、というこれまでのキャリアからすると珍しい役柄でした。

瑛太:僕が演じた祐介は、全然面白くないのに売れている、空気の読めないお笑い芸人さんという役なんです。だから役づくりということで言えば、テンポも間も完ぺきな漫才のできる芸人の役ではなかったので、逆に少し肩の力を抜いて取り組むことができたと思います。一発ギャグをやってウケない、というすべり芸も、そのままそれをやればいいだけの話だったので気が楽でした(笑)。

お互いをベタぼめ!

品川祐&田辺誠一

―― お互いのことは、どういう役者さんだと思っていますか?

阿部:瑛太くんは以前テレビドラマで共演したときから、すごい役者さんだと思っていました。そのとき彼は犯人役だったんだけど、そのことを誰にも明かさないで、ずっと過ごしていたんです。周りの役者をもだまし通した男(笑)。僕だったら途中で「自分です」って折れちゃいそうだけど、絶対言わないでやっていく……そのスタンスに心打たれたのを覚えています。でも、普段は自然体で、話していて楽しい。どうなっていくか楽しみな人でもありますね。

―― 弟役としての瑛太さんは、いかがでしたか。

阿部:兄弟とはいっても、生き別れた兄弟という役だったので実際はあまり絡んでないのがちょっと残念でした。もうちょっと一緒に兄弟をやりたかったな。でも瑛太くんとの漫才シーン、実は瑛太くんの撮影初日に撮ったんですけど、それまで全く一緒に演技してなかったのにあんなにうまくいったのは相手が瑛太くんだったからだと思います。

―― 瑛太さん、先輩から絶賛されていますが?

瑛太:ありがとうございます。実は僕、阿部サダヲさんのようになりたいんです。初めて共演したときからそう思っていました。僕みたいに経験の浅い若手俳優にも、「食べ物とか、何が好きなの?」ってまるで親戚みたいに、気軽に話しかけてくださるんです。そして、演技に関しても阿部さんにしかできないことがたくさんあるといつも感心させられるんです。ドラマでも映画でも舞台でも、阿部さんが出演されると、もう阿部さんの世界になってしまうんですよね。今回弟役をやれて本当にうれしいし、また共演できるなら、どんな役でも出演したいです。