『なくもんか』阿部サダヲ&瑛太 インタビュー 2/2

阿部サダヲ&瑛太

「家族には何があっても味方でいてほしい」

脚本家の宮藤官九郎が初めてホームドラマに挑戦したという、笑いあり涙ありの映画『なくもんか』。『舞妓Haaaan!!!』に次いで2作目の主演となる阿部サダヲが、今作では持ち前のはじけた演技に加えて、笑顔の裏に複雑な内面を抱える、陰影のあるキャラクターを絶妙に演じている。その阿部演じる主人公の、生き別れた弟を演じたのが映画にドラマに、各方面で引っ張りだこの瑛太。過去にドラマで共演して以来、互いの才能を認め合っているという二人が、それぞれが演じた役柄から本作のテーマとなる家族についてまで様々に語ってくれた。

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瑛太は放っておけない空気を持っている?

小池徹平&品川祐&マイコ&田辺誠一

―― 撮影中、印象に残っているエピソードがありましたら教えて下さい。

瑛太:沖縄ロケのとき、ある日僕と阿部さんがテントで世間話をしてたんですよ。で、阿部さんがちょっと席を外していたとき、そばを通りかかったヒロイン役の竹内結子さんがチョコを一つ、僕にぽんと渡してくれたことがあって。何だったんでしょう? あれは……。

阿部:え、おれはそんなのもらってないよ。そういうことか……(苦笑)。

瑛太:でも、阿部さんも通りすがりに僕に何かを手渡してくださったりしたことありますよね? そういうことをされると自分を気にかけてくれているんだ、ってうれしくなりますよね。照れくさいですけど。

阿部:瑛太くんはそういう、はたから見てほっとけない、構わずにいられない空気を持っている人なんだよね。

宮藤官九郎さんの脚本はうまい!

いしだあゆみ&阿部サダオ&竹内結子

―― 完成した作品をご覧になっていかがでしたか。どのシーンが印象に残っていますか?

阿部:僕ら兄弟が自分たちを捨てた父親と久々に再会して、すき焼きをつつくシーンですね。その中のセリフ「それぞれ腹に何か抱えていても、黙って一緒に飯を食うのが家族」というのがすごく心に引っ掛かりました。ぐっときますよね。でもそのまましんみりいくのかと思っていたら、最後にいしだあゆみさんのつっこみで終わるところもまた、宮藤さんの脚本のうまいところだと思います。

瑛太:僕も、あのすき焼きのシーンは好きですね。演じているとき、伊原剛志さんふんするどうしようもない父親に対して、息子として本気でやるせない気持ちになったのを覚えています(笑)。

―― この作品は脚本の宮藤さんいわく「初めてホームドラマというジャンルに挑戦した映画」ということなんですが、お二人にとって家族とは?

阿部:人間が一番、素の状態に戻れるところじゃないでしょうかね。本当の自分を出せるところであってほしい。僕が演じた祐太は、それができていないから、別のところで違うキャラクターになって発散してるわけで。家族はお互いをさらけ出し、受け止め合うようなものであってほしいと思います。

瑛太:家族って、お互いを許し合えて、何があっても味方でいる存在ではないでしょうか。生きていく上で味方がいないと辛いですよね。家族には味方でいてほしいと思っています。祐太と祐介のように、親に捨てられてしまうのは本当に厳しいと思いますね。

阿部:やっぱり、家族は味方じゃないとね。




取材・文:古川祐子 写真:高野広美 編集:シネマトゥデイ
(C) 2009「なくもんか」製作委員会

MOVIE INFO

解説

『舞妓 Haaaan!!!』でチームを組んだ脚本・宮藤官九郎、監督・水田伸生、主演・阿部サダヲのトリオが再び結集し、下町の一風変わった家族の物語を描いた異色の人情コメディー。父に捨てられ、幼少期に生き別れた兄・祐太(阿部)と弟・祐介(瑛太)は、互いの顔も名前も知らずに成長する。祐太は、東京下町の商店街でハムカツが名物の店を切り盛りし、祐介はお笑い芸人として超売れっ子になっていたが……。

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