『キャピタリズム 〜マネーは踊る〜』マイケル・ムーア監督 インタビュー 1/2

マイケル・ムーア監督

「アメリカ人が立ち上がり、行動を起こすことを望んでいる」

アメリカの問題点を世界中に発信しているジャーナリスト、マイケル・ムーア監督が新作『キャピタリズム 〜マネーは踊る〜』と共に、日本に初来日を果たした。インタビュー当日の朝、マイケルが長年支持し続けてきたオバマ大統領は、アフガニスタンへの追加派兵を決定した。終わらない戦争への悲しみを抱えながら、マイケルがアメリカの反逆児として生きる難しさを語ってくれた。

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アメリカ人は魂(ソウル)を取り戻さなければならない

マイケル・ムーア監督

―― 今朝、アフガンへの追加派兵について聞いたときは、どのように感じましたか?

マイケル・ムーア監督(以下、マイケル):悲しいことだね。追加派兵の反対については、僕のホームページでも訴え続けてきたし、大統領にも訴え続けてきた。それでも、彼の心に届かなかったのが本当につらい。今日は、朝から1,000通を超えるメールが、僕のところにきているよ。それだけ、今朝の発表はアメリカに悲しい打撃を与えたんだと思う。彼のことはとても好きだし、投票もした。選挙運動にもかかわった。彼が将軍たちに説得されてしまったのは非常に残念だ。

―― 今日のオバマ氏の発表は、どんな影響をアメリカに与えると思いますか?

マイケル:僕が一番懸念しているのは、まだ擦れていないオバマ支持者の若者が、このことを機にうんざりしてシニカルになってしまうことだ。オバマが当選するために、彼らはとても頑張ったんだ。彼ならきっとアメリカを平和にしてくれると信じてね。あんなに頑張った彼らが、今回のことで政治活動にかかわっても、無駄だと思ってしまうかもしれない。それが、一番心配だね。

―― 現在のアメリカに一番大切なことは何だと思いますか?

マイケル:アメリカ人は魂(ソウル)を取り戻さなければならない。われわれは善良な人々なんだよ。

なぜアメリカだけ? それが作品の永遠のテーマ

マイケル・ムーア監督

―― 今回、資本主義というテーマを選んだのはどうしてですか?

マイケル:僕はティーンエイジャーのころから資本主義について考えているよ。不平等な経済がどうして出来上がったのか、長年考え続けてきた結果だ。少数の金持ちのために、多くの人たちが犠牲を払わなければならないなんて、不公平だよ。

―― アメリカの現状について、どのように感じていますか?

マイケル:アメリカの状況としては、7.5秒に1軒の家が差し押さえられ、強制退去となっている。現在、アメリカで家を失う、もしくは自己破産になる理由の第1位は医療費が高過ぎて払えない、ということなんだ。きっと日本では、そのようなことはないよね? それは、社会的にセイフティーネットを構築しているからだと思う。でもそれが、残念なことにアメリカにはなく、人々はどんどんお金がなくなって、家から出ないといけなくなっている。ほかの国では大丈夫なのに、なぜアメリカだけはこのような状況なのだろうかと、僕の作品の中で永遠のテーマとして描いているつもりだよ。

―― 現在の日本は、あなたの目にどのように映っていますか?

マイケル:日本は新しい総理大臣を迎えたことで、新しい可能性が出てきたと思っている。今、日本は首相が母親からもらった献金問題が、話題になっているみたいだけど、僕にとってはコメディーに思えるよ。母親からもらったお金なんて問題にならないさ(笑)。仮に君がお母さんから10億円もらったら、それはお母さんがどれだけ君のことを愛しているかの証しだろ? 麻薬密売組織のドンからお金を受け取ったら大問題だけど、ママからもらったんでしょ? それぐらいいいんじゃない?