『サヨナライツカ』中山美穂 インタビュー 1/2

中山美穂

「映画だからこそ表現できた、大人のラブストーリーです」

70年代。タイで情熱的な恋に落ちながら別離を余儀なくされた沓子と豊は、25年の時を経て再会する。ヒロイン・沓子を演じた中山美穂が、12年ぶりの女優復帰、イ・ジェハン監督のこだわりなど、さまざまなテーマについて語ってくれた。

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ヒロインの沓子にあこがれます

中山美穂

―― 原作『サヨナライツカ』は、ご主人でもある辻仁成さんの小説なので、映画化には特別な思いがあるのでは?

中山美穂(以下、中山):今から10年ほど前に原作を読んで、沓子を演じたいと強く思いました。以来、演じたいと思うキャラクターには出会っていませんので、やはり思い入れは強いですね。正直に言いますと、まだわたしが演じるというお話が全然出ていないときに、脚本を読んだのですが、あまりの違和感に驚きました。でも、同時にこういう映画を観てみたいと思いました。それから少しして、出演の依頼が来ました。そこでまず考えたのは、原作と映画は別物。これは、イ・ジェハン監督の『サヨナライツカ』だと割り切って、演じること自体を楽しもうと思いました。

―― ヒロイン・沓子のどこに惹(ひ)かれました?

中山:共感するというか、あこがれますね。一人の人をずっと愛し抜くことの強さとか、自由奔放さに。わたしなら25年も待っていられませんから(笑)。まったく違いますね。

―― 12年ぶりに映画に出演された感想は?

中山:わたしの中では「12年ぶり」ということに、あまり思いがないんです。ただし、観てくださる方たちが12年ぶりの映画出演ということで期待してくださるだろうと思うので、それを思うと、プレッシャーを感じました。

ラブシーンがきれいな仕上がりでホッとしました

中山美穂

―― イ・ジェハン監督はお仕事をされていかがでしたか?

中山:この作品に出演したかった理由の一つは、監督とご一緒したいということでした。すごくこだわりのある方で、正直、最初は翻弄(ほんろう)されっぱなし(笑)。だんだん慣れて、途中からは何が起ころうと平気でした。

―― どんなことで翻弄(ほんろう)されたのでしょうか?

中山:例えば、朝からずっと撮影していて、明け方になってから大事な寄りのカットを撮られたときは、本当に心配しました。何しろ、年も年なので……(笑)。仕上がりを観たら、ちゃんときれいに撮ってくださっていたから、良かったですけど。今にして思えば、あのこだわりがなければ、良い作品も生まれないんですよね。