『サヨナライツカ』中山美穂 インタビュー 2/2

中山美穂

「映画だからこそ表現できた、大人のラブストーリーです」

70年代。タイで情熱的な恋に落ちながら別離を余儀なくされた沓子と豊は、25年の時を経て再会する。ヒロイン・沓子を演じた中山美穂が、12年ぶりの女優復帰、イ・ジェハン監督のこだわりなど、さまざまなテーマについて語ってくれた。

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衣装やヘアメイクさんの技術の高さにビックリ

中山美穂

―― 衣装やメイクが多彩でゴージャスな雰囲気を醸し出していましたね。

中山:ある意味、キャラクターや時代性にこだわらずにいろんなファッションができて、単純に楽しかったですね。へアスタイルもすごく作り込んでいるんですけど、その技術の高さにびっくりしました。メイクも、その日の気分やスタイルで、がらりと変わるんです。みなさん、持てる才能を全部出し切ってくださったという感じで、本当にありがたかったですね。

―― 豊役の西島秀俊さんとの共演の感想は?

中山:ほとんどのシーンが、西島さんと二人だったので、ずっとわたしの隣に西島さんがいる状態でした。なんだか不思議な感覚でした。いつも淡々としていて、撮影のときも淡々と演技をされているようでした。なんだか「あんなに淡々としていていいの?」と思ったこともあるのですが、仕上がった作品を観たら、あの静かな存在感が感情の起伏の激しい沓子と絶妙なバランスになっていて、うまいなぁと感心しました。

タイの湿気も演出の一つと思えて、ワクワク!

中山美穂

―― タイのさまざまな場所が舞台となっていますが、お気に入りの場所は?

中山:沓子と豊が車で走った一本道とその先にある岐路。あんな風に道路だけでほかに何もない平原は、めったにありません。それに、物語の象徴的なシーンで登場しますから、印象が強いですね。

―― 気候の違うタイでの長期ロケの感想は?

中山:最初は体調を崩さないように気を使いましたが、慣れるとあの湿気が気持ちよくなって。この湿気までがスクリーンに映って演出の一つになるんだろうなと思うと、ワクワクしました。

―― 最後に、『サヨナライツカ』はどんな作品だと思いますか?

中山:これまでにあまりなかったタイプの大人のラブストーリーですよね。沓子と豊のように、若いころに出会って恋をして、やむを得ない理由で別れる。そういう経験は、大なり小なり誰にでもあるものだと思います。でも、その思いを全うすることは、現実の世界ではなかなか難しい。その切ない思いを映画だからこそ、思い切り表現できた作品だと思います。




取材・文:金子裕子 写真:尾藤能暢 編集:シネマトゥデイ

MOVIE INFO

解説

愛されることがすべてと思っていた女性が、運命的な出会いを経て、愛することが本当の愛だと気付くラブストーリー。『私の頭の中の消しゴム』イ・ジェハン監督がメガホンを取り、監督から熱烈なラブコールを受けた中山美穂が、『東京日和』以来12年ぶりの映画主演作で愛に生きる強く純真な女性を熱演。原作は中山の夫・辻仁成。バンコクで始まった恋が東京、ニューヨークと場所を移し、25年の時を超えて愛へと変わる過程が切ない。

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