おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


【注目】
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いつか眠りにつく前に

2008-02-12
いつか眠りにつく前に

 この春は映画史に残るような映画が続々と公開されます。「いつか眠りにつく前に」もその1本と言っていいでしょう。人間、誰でも死を目の前にした時、人生の中で自分が犯した“ミス”を思い苦しむのではないでしょうか。そんな人生は送っていない、と言い切れる人はそうはいないと私は思っています。

この映画の中で、ヴァネッサ・レッドグレイヴ扮するアンは、臨終の床の上である事で自分をせめていた。ある事はアンの回想として出てきます。若いアン(クレア・デインズ)はニューヨークでクラブのシンガーをやっていますが、この日はニューポートの親友ライラ(マミー・ガマー)の結婚式にブライドメイドとして参加していた。ここで、ある事件が起きます。しかし、アンはその時現場にはいずに、ある男と会っていました。回想は戻り、年老いたアンのベッドの端で、二人の娘が見守っています。アンの口から“ハリス”という男の名前が出ます。娘たちは、その男が誰なのかを知りたくて、親友だったライラ(年を老ってからをメリル・ストリープ)を呼ぶことに…。回想と現実、幻想と困惑が混じり合いながら展開されていく映画は、つくづく頭のいい人たちって世の中にいるのだ、と思わせてくれます。メリルとガマーは本当の親子で、年を老ったライラと娘時代を演じます。ヴァネッサとナターシャ・リチャードソンも実の親子ですが、映画でもアンと娘コンスタンスを演じています。メリルが画面に出てから、人間は安らかに死ねるのだと思わせてくれるのです。とても良い映画です。
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プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。 テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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