おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


【注目】
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ノーカントリー

2008-03-18

 今年の米アカデミー賞作品賞を受賞したコーエン兄弟の「ノー・カントリー」は今まで見たことの無いテクスチャーを持った映画であります。ストーリーは、偶然ハンティングの最中に、麻薬の取り引きらしい現場で何人かの人間が死んでいて、樹木の下で座った格好で息を止めていた男の傍らにトランクがあり、その中に200万ドルという大金が入っているのを見つけた、ベトナム帰りの男ルウェリン・モスが、そのトランクを猫糞(ねこばば)してしまう。その男をアントン・シガーという殺し屋が追うというもので、そのシンプルな筋に事件を追う保安官エド・トム・ベルが絡んでくる、という具合で今までもストーリーとしては無いことはないものなのです。しかし、殺し屋シガーが扱う武器が異様なもの(ホースの先から圧縮された空気が飛び出すエアガンのようなもので、常にボンベを持って行動する)で、大きなスクリーンを見ながらも、目はその武器に吸い寄せられてしまいます。勿論、追いつ、追われつのサスペンスは面白いのですが、殺し屋を演ずる“ハビエル・バルデム”の、これまた、異様な髪型と、殺し屋の何んという行動力に圧倒されてしまいます。映像はクリアーなのに、どこかシュールな面をもっていて、ラストまで息もつけずに見てしまいますが、これがアカデミー賞でオスカーを獲った、というと“品格”としてはどうかなあと、おすぎは思うのであります。
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プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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