おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


【注目】
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クライマーズ・ハイ

2008-07-01
クライマーズ・ハイ

 日本映画ってベストセラーを映画化して原作を越えたっていうものは少ないでしょう。「アウト」にしても「マークスの山」にしても、あんなに読んでいる時にワクワクしていたものが、映画にすると読者の頭の中で描かれた映像と少しも一致しないものになってしまう。勿論、脚色の段階で、原作と映画とは違うものだ、という意識があっての上でのことだろうけど、観る方としてみれば失望してしまうのです。

ところが原作を面白く読んで、その映画化をした作品を見て楽しんでしまう映画が出来たのです。横山秀夫の“クライマーズ・ハイ”を原田眞人が監督した映画「クライマーズ・ハイ」は、映画としてもエンターテイメントとしても大変良く出来た映画です。

1985年8月12日、日航ジャンボ機が群馬県の御巣鷹山に墜落しました。この未曾有の悲劇をマスコミは総力をあげて報道しました。大手の新聞社は大勢の記者を挙げて現地に入りました。一方、地方紙を発行している新聞社はどうだったのか、を描いたのが「クライマーズ・ハイ」です。主人公の全権デスク悠木を堤真一が熱演しています(私が見た限りでは、今までの出演作とは違って演技に巾が出てきました)。悠木の片腕となる県警キャップ佐山役の堺雅人も好演しています。ひとつの会社を舞台にした群像劇でありますが、それは観る者にとっても日常であるはず。必ず、どこかで胸を打たれると思います。
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■「クライマーズ・ハイ」作品情報はコチラ
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(C)「クライマーズ・ハイ」フィルム・パートナーズ

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。 テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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