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イントゥ・ザ・ワイルド

2008-09-02
イントゥ・ザ・ワイルド

 目が腐ってしまうような、というより不愉快を通り越して、失ってしまった時間を取り戻すために、裁判にでもかけたい気持ちの「二十世紀少年」を見てしまった人は、目を洗うつもりで見なければいけない映画がショーン・ペン監督の「イントゥ・ザ・ワイルド」であります。ジャーナリストであり、著名な登山家であるジョン・クラカワーが書いた“荒野へ”を、10年の月日をかけてペンは映画化権を手に入れました。それから数年の時間をかけて完成させたのが「イントゥ・ザ・ワイルド」であります。

1992年の夏、アメリカ最北部の荒野でクリストファー・マッカンドレスという青年が死体で発見されます。クラカワーは、このクリスが何故、死体で発見されたのかを追跡調査し、それを基に発表されたのが“荒野へ”でした。ペンはクリスの旅の軌跡を克明に追います。ジョージア州アトランタのエモリー大学を優秀な成績で卒業したクリスは、親の期待をはずし“家族、家庭”というものを捨て、名前まで変えて、アラスカの荒野を目指します。その2年の間に北カリフォルニアのパシフィック・クレスト・トレイルからサウスダコダ、コロラド川で急流下りをし、メキシコへ、カリフォルニア・ソルト・シティからアラスカへ…。“死”という完結を承知でペンはクリスの辿った大自然を追いかけます。それはそれは、素晴らしい映像。クリスが望んだ大自然の中の“孤独”を映画は味あわせてくれます。人間も自然の一部であることを、こんなに強烈に感じたことはありません。必見の一本!!
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プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。 テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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