おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


【注目】
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おくりびと

2008-09-09
おくりびと

 映画は、私の知らないことを教えてくれます。「おくりびと」は、山形県庄内平野、町としては酒田市あたりに、今も残っている風習、葬儀の祈りに、遺体に化粧をほどこし、旅立ちの衣装を着せて、棺に納め、あの世に送り出す職業につく人を主人公にした映画です。この職業に10数年前に旅先で遭遇したのが本木雅弘で、それを映画にしたらどうかとプロデューサーの中沢敏明に発案し、映画の脚本家デビューの小山薫堂が脚本を書き、完成したのが「おくりびと」です。監督は「コミック雑誌なんかいらない」で鮮烈デビューしてから27年の滝田洋二郎であります。人づてに聞いたのですが、滝田監督が「おれの映画をホメたことの無いおすぎがホメているって…」と言ったとか…。いい作品であればホメて当然であります。

東京でオーケストラのチェロ奏者をしていたが、楽団の解散で故郷の山形へ戻ることにした大悟(本木)は、求人広告を頼りに就職活動の結果、冠婚葬祭関係の仕事についたと妻の美香(広末涼子)に言ってしまうが、大悟の仕事は“納棺師”だった。社長の佐々木(山崎努)は、ほとんど面接らしいことをしないで一目で採用としたのだった…。さて、町の反応は…。妻への嘘は…。

差別されやすい仕事の中で、一人前になっていく大悟を、本木は舞踏師のように優雅に見せてくれます。そのリリシズムが、この映画を格調高いものにしています。語りにも、映像も品があり、秀作となっています。
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(C)2008 映画「おくりびと」製作委員会

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。 テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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