おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


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BOY A

2008-11-18

 原作者のジョナサン・トリゲルが小説のタイトルにした「BOY A」は日本の事件報道からヒントを得たものだそうです。そう“少年A”という、あの呼び方であります。映画「BOY A」は、そういう風に聞くと“少年犯罪者”の話なのか、と想像してしまいますが、まったく、そのままの話でなく、なかなか“ヒネリ”を効かせているストーリーになっています。オープニングは淡い光の部屋の中で会話している中年の男と青年。男はソーシャルワーカーのテリー、青年はジャックと呼ばれる24歳で、今までの人生のほとんどを一般社会から隔離されて過ごしてきた若者。そうジャックは少年時代、フィリップという友人と“悪魔の少年”と罵られるほどの事件を起こし、刑務所に入っていたのだった。テリーから「過去の君は死んだ」と言われたが…。少年犯罪人が出所し、名前を変えて社会復帰をする姿を描いた作品であります。“悲劇”と言っていいでしょう。ストーリーの始まりが、十字架を背負って新しい人生に立ち向うわけですから…。職場の中で友人を作り、恋人との交わりも築きあげ、交通事故で死にかけた少女の生命を助けたジャック…。しかし、社会の目は彼をやさしく見守ってはくれなかった。
 
少年の頃のエピソードを巧みに今とリンクさせながら、さらなる悲劇を展開させていく美事な作り方…。どこまでもやさし気な映像、そして、ジャックを演ずるアンドリュー・ガーフィールドのナイーブな演技を驚くほどの素晴しさで見せてくれます。A・ガーフィールドを見るだけでも充分な作品です。
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(C)THE WEINSTEIN COMPANY ,FILMFOUR CUBA PICTURES

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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