おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


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映画は映画だ

2009-03-03
映画は映画だ

 このところの韓国映画をつまらなく思っていたのと、タイトルが「映画は映画だ」なので勝手にドキュメンタリー映画ときめつけて、どうせつまらないだろうと期待もしないで見たのですが、これが滅法面白かったのであります。原案・製作をキム・ギドクが担当(私は、この監督が苦手で、今まで、彼が作った映画を面白いと思ったことはありません)だったので、これも意外という感じでありました。オープニングは、人気スターで、多少その人気に翳りが見えてきたスタ(カン・ジファン)がひとりクラブでお酒を飲んでいるところに、彼のファンだからサインをくれ、とヤクザの手下がくる。それをスタは「本人に来させろ」と拒む。兄貴分のガンペ(ソ・ジソプ)が顔を見せると、「短く人生、無駄にするな」とスタは言ってサインをする。

 ヤクザ役を本物らしく演じたい映画俳優と、映画俳優になりたかったヤクザ、出会うはずのなかったふたりが出会った末に起る、考えられない展開が新鮮であります。映画作りという作業の面白さを見せながら、一方でヤクザの抗争をリアルに描いていきます。ガンペが温情から招いた己の危機、その復讐、いや結着のつけ方の、なんとも意外なことに衝撃を受けたあと、大拍手になってしまいました。久し振りに韓国映画を堪能しました。
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プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。 テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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