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リリィ、はちみつ色の秘密

2009-03-10
リリィ、はちみつ色の秘密

 アメリカの大統領が黒人だ、ということは革命的なことでした。“古くて、新しい悩み”だったのが人種差別でした。ハリウッドも、このテーマで多くの映画を作ってきました。

 「夜の大捜査線」などの秀作もありました。しかし、ダコタ・ファニング主演の「リリィ、はちみつ色の秘密」(なんという邦題でしょう。原題は“蜂蜜の秘密の生活”です)は今までの人種差別を描いたものと少し違っています。14歳の少女が主人公というのもあります。

 リリィは4歳の時、誤って自分の母親を射殺してしまった、という、心に傷を持っている少女なのです。父親の手で育てられ、母親のことを悪く言い、粗暴で愛情の薄い父のもとから、ある事が切っ掛けで家政婦ロザリン(ジェニファー・ハドソン)と一緒に家を出て、母親と縁があるだろう町ティブロンに向います。

 時は1964年、公民権法が制定され、黒人にも市民としての権利が認められてはいても、白人は平然と差別を繰返していました。ティブロンでふたりが訪れたのは、町はずれのカリビアン・ピンクの家に住んでいるポートライト3姉妹のもとでした。養蜂場を経営している姉妹の長女オーガスト(クィーン・ラティファ)は、心良くふたりを迎え、仕事を与えてくれます。毎日の仕事の中でリリィは成長していきますが、ある事件を境に意外な事実が判ってきます。ひとりの少女の心の成長をやさしく、いたわるように描いて、ラスト、私は涙を流しました。後味のとてもいい映画です。ダコタ・ファニングがやはり、うまい!!
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(C)2008 Twentieth Century Fox

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。 テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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