おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


【注目】
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ミルク

2009-04-07

 今年の米アカデミー賞、私は作品、監督、主演男優部門で「ミルク」がオスカーを獲ると思っていました。ガス・ヴァン・サント監督の「ミルク」は、それほどの作品になっていました。まず、この映画の素晴しさのひとつは脚本にあります。脚本を書いたのはダスティン・ランス・ブラックで、彼も同性愛者で、1984年のドキュメンタリー映画「ハーヴェイ・ミルク」を見て、自分たちにもより良い明日に希望があるのだと思い、もう一度世間に伝えなければならない、メッセージを残さなければならないと思って、この脚本を書いたといいます。ガスは私とのインタビューで、ミルクは暗殺されなければ素晴しい政治家になっていただろうと話していました。それほど“ハーヴィー・ミルク”という人は魅力に溢れていたことが、この映画からも伝わってきます。それもこれも、ミルクを演じたショーン・ペンの力が大きかった。

 「ミルク」を見るということは“ショーン・ペン”を見ることにつきる、といってもいいくらい(勿論、ガスの力であり、ブラックの力でもありますが)、この映画のショーンは美事です。ミルクを撃つ、同僚だったダン・ホワイトを演じるジョシュ・ブローリン、映画の中での最初の恋人スコットを演じるジェームズ・フランコも好演しています。暗くなる内容を軽く、華やかに見せてくれ、ラストのミルクの死を悔む若者たちのローソクの灯が河のように流れる様子に涙してしまいました。
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プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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