おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


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愛を読むひと

2009-06-16
愛を読むひと

 世界的ベストセラーを映画化して成功した映画といえば「風と共に去りぬ」「ゴッドファーザー」「ジョーズ」「エクソシスト」などそう多くはありません。大失敗した例は「ダ・ヴィンチ・コード」であり「天使と悪魔」でしょう。この種、左様に映画にするってことは難しいのです。ところが「愛を読むひと」は映画化することに成功した、というより小説では描きえなかった人物の心理が巧みに描かれているのです。原作はドイツの作家ベルンハルト・シュリンクの“朗読者”ですが、これを日本語に翻訳した方が“原作では判らなかったハンナ(女主人公)の気持が、こうだったのか、と映画を見て判りました”と言ったということです。

15歳のマイケル(デヴィッド・クロス)は猩紅熱の発症で学校帰りの途中で具合が悪くなり、21歳年上で路面電車の車掌をしているハンナ(ケイト・ウィンスレット)に助けられます。3ヶ月後、完治したマイケルはハンナのもとを訪れ、男女の関係になります。毎日、彼女と過すうち、ハンナは「本を読んで欲しい」と頼みます。喜んで朗読者となるマイケル。だが、ある日、ハンナはマイケルの前から姿を消します。数年過ぎ、大学で法律を学ぶ大学生になったマイケルは、ゼミのために訪れた法廷で、被告席に坐るハンナと再会するのでした…。見終って、しばらく席をたてませんでした。感動というより、心の中を激流が流れていました。ケイトが素晴しい、少年のデヴィットが文句なくいい、というのもありますが、出来たばかりで、すでに名画でした。
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(C)Melinda Sue Gordon/TWC 2008

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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