おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


【注目】
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ディア・ドクター

2009-06-23
ディア・ドクター

 今、日本でいちばん、映画監督としての力を持っている、といえば“西川美和”だと私は思っています。長編2作目の「ゆれる」で、シッカリした構成・描写・展開を見せてくれ、もしかしたら、スゴイ新人が出てきたかも…、と思わせてくれたのですが、3作目の「ディア・ドクター」を見て、これは本物だ、と嬉しく思いました。
オープニングのシーンから、もう、スクリーンの中にすっと入ってしまいました。山あいの村の長い坂道の黄昏のロング。1台の自転車がライトをつけて走ってくる。自転車が止まり、乗っていた男は畑の中に落ちていた白衣を拾い、それを羽織って、再び自転車に乗って走り去っていく。ここまでワン・カット。次に村の朝、住民が集って、ひとりの医師が行方不明になったと騒いでいる。刑事が登場、医師・伊野の身辺を洗いはじめる。ここから約2ヶ月前の回想に入っていきます。東京の医大を卒業した相馬が研修医として村にやって来た2ヶ月前に…

 果して医師に“免許”はいるのか…。過疎になった村で村人の信頼を受けていた医師に何が起ったのか…。西川は撮影に入る前、綿密な取材を行いました。それが反映され、美事な脚本が…。そして伊野のキャスティングに成功したのです。笑福亭鶴瓶、今まで多くの映画に出演してきましたが、本当の意味で今回、初めて俳優になりました。相馬役の瑛太も好演し、女優陣、八千草薫余貴美子井川遥もガンバっています。今年の日本映画、必見の1本!!
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(c) 2009『Dear Doctor』製作委員会

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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