おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


【注目】
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風が強く吹いている

2009-10-27

 久々に“熱い想い”の日本映画に出会いました。「風が強く吹いている」で、原作は三浦しをんの同名小説であります。オープニングは、多少、首を傾げるようなものですが…。

 18歳で寛政大学に入ってきたカケル(林遣都)に声を掛けたのは4年生のハイジ(小出恵介)だった。無理やり食事に誘い、入った食堂で喰い逃げをやり、カケルとハイジは店の者が自転車で追うのを振り切って逃げ切る。これはハイジがカケルの走りをその目で確認するための“やらせテスト”だった。ハイジは、自らが寮長となっている竹青荘に、賄い付きで3万円という家賃と毎朝5キロの走りこみという条件でカケルを強引に入居させる。そこにはカケルの他に8人の学生が入居していた。だが誰もハイジの野望を知らなかった。ハイジの野望とは…自分を入れて10人で箱根駅伝に参加することだった…。しかしハイジとカケル以外は陸上とはかけ離れたものばかりである。そう、不可能を可能にする“スポ根もの”の出だしでありますが、この10人の若者のキャラクターを丁寧に描き、演じる若手の役者たちもノビノビと自分のキャラクターを演じていて、悪くないのです。特に素晴しいのは、人気のイケメンタレントばかりを並べるキャスティングがされていないこと。顔を知っているのは小出、林、他に双子を演じる斉藤慶太祥太くらい。神童に扮する橋本淳や王子を演じる中村優一などが印象に残ります。ストーリー展開もなかなかのもので、ラストは少し甘いけど、ちょっぴり感動します。
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「風が強く吹いている」劇場・作品情報
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(C)2009「風が強く吹いている」製作委員会

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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