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【注目】
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キャピタリズム/マネーは踊る

2009-12-08
キャピタリズム/マネーは踊る

 「ボウリング・フォー・コロンバイン」でアメリカの“銃社会”を取り上げ、「シッコ」でアメリカの“保険制度”を斬ったマイケル・ムーアが、今回は“金融業界”に目を向けたのが「キャピタリズム/マネーは踊る」であります。

2008年9月15日、リーマン・ブラザーズの破綻により“世界同時不況”に陥りました。そもそもは“サブプライム・ローン”が端緒(きっかけ)になったこの恐慌に誰が手を貸したのか、金融業界だけでなく、この20年間の政府に、どんな財務長官が就任し、どんな政策をとってきたかを、ムーア独特のケレン味たっぷりの語り口で解きあかしてくれます。オープニングは“何故、ローマ帝国は崩壊したか”というスタイルで、独裁的な手法をとっていた“皇帝”らを描き、その皇帝の顔の部分にアメリカの政府の歴代高官の顔をモンタージュして、仕組としては同じだ、ということを語り、フォードからクリントンまでの財務長官がほとんど“ゴールドマン・サックス”のお偉方が横滑り的に就任しているのを曝きます。低所得者に住宅を買わせ、そのローンを証券化し、世界中にバラまいたのはド奴なのかが一目僚然に判るのであります。

そして“デリバティブ”とは何か、説明してくれとウォール街に乗りこみ、果ては街全体に“クライムテープ”を張りめぐらします。
“たった一人の反乱”。肥った大きな身体を動かし、駆けずりまわる姿に、思わず拍手を送ってしまいます。秀逸なドキュメンタリー。
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「キャピタリズム/マネーは踊る」劇場・作品情報
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(C)Front Street Productions, LLC.

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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