おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


【注目】
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Dr.パルナサスの鏡

2010-01-21
Dr.パルナサスの鏡

 この何年かのテリー・ギリアムの映画は、昔の作品より精彩を欠いていたと思います。「未来世紀ブラジル」で見せてくれた奇想天外な空想の世界を望むのは無理な気持ちがしていました。「ラスベガスをやっつけろ」「ブラザー・グリム」が不発となってしまったのは資金難だけではなかったのでしょう。だから「Dr.パルナサスの鏡」の試写に出向く時、期待半分、アキラメ半分の気分で挑んだのであります。
 ところがどうでしょう。オープニングからこれはスゴイ!!何時もと違う、いや、そんなことよりスクリーンに目が釘付けになってしまいました。馬車に仕込まれた舞台の上で繰り広げられる、言葉で表現出来ない出し物の数々(Dr.パルナサスと呼ばれる千年生きているという老人が、人の心に秘められた欲望を具現化して見せる見世物…。例えば、ひとりの女が森の中を歩いてみたいという欲望を持つときには、老人の後ろにある鏡を通り抜けると、そこには舞台の上にある書き割り、そう、紙と木で出来た森が出現して、彼女はそこに踏み込みます。そして…)の奇想天外なイマジネーションの楽しさ。それは映画以外では表現出来ないものでした。この映画はヒース・レジャーという俳優の死で製作中止になるところ、ギリアムの発想で実現した、ジョニー・デップジュード・ロウコリン・ファレルという3大スターの登場によって、一段とスケール・アップした作品です。今、映画で見ることの出来る最良のブラック・ファンタジーを是非!!
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「Dr.パルナサスの鏡」劇場・作品情報
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プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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