おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


【注目】
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ラブリーボーン

2010-01-28
ラブリーボーン

 貴方たちは、“霊”の存在、“霊界”の存在を信じますか。私はそれらを直接見たことはありませんが、“気配”を感じることがあります。地方に仕事に行った時、予約していたホテルの部屋に入ると、ベッドサイドにどうしても目をむけることが出来ない。何かがいる、存在の気配を感じるのです。仕方なく畳敷きの方で布団をまるめて一夜をあかした…なんてことがあります。私よりズーッと強く、このような体験をしているのがピーコです。そういう類いの人々の必見の映画が「ラブリーボーン」であります。「ロード・オブ・ザ・リング」のピーター・ジャクソンが、脚本にもたずさわり、監督として手がけた、世界的ベストセラーになったアリス・シーボルトの原作を映画化したものであります。
 スージー・サーモンという魚みたいな名前の少女が14歳で殺されてしまいます。彼女は父と母、妹や弟と幸福な生活をしていました。それが一瞬にして壊されたのです。スージーの魂は現世と天国との間の場所にいます。そこから残された家族たちと自分を殺した男を見つめます。家族の絆をどう保つか…。スージーが思えば、その念は家族に伝わっていくのか。それらをピーターは素晴らしい映像で見せてくれます。天国らしき場所には草原の中に一本の樹が立っていて、枝々には葉がギッシリと繁っています。ある日、風が吹くと、その葉たちは樹から離れ飛んでいき、何時の間にか葉が鳥になり、鳥は群れとなって彼方に去っていきます。こんな風な映像が次から次へと出現してきます。そしてラスト…。少なからぬ衝撃があります。それは“霊界”の思いと現世との間にある何か…が映像になったからです。一見の価値、充分あり。
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「ラブリーボーン」劇場・作品情報
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プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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