おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


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パレード

2010-02-18
パレード

 行定勲監督は「世界の中心で、愛をさけぶ」や「北の零年」などで“巨匠”のひとりになった感があります。それはそれでよろしいかと思いますが、「今度は愛妻家」で、昔のプログラム・ピクチャーを意識した作品にも挑戦するという意欲を見せてくれてもいます。
 そして今度は“原点回帰”とばかりの「パレード」が公開されます。吉田修一の原作を、脚本も自身が書いて、これがかなりスリリングな秀作に仕上がっています。
 「嫌なら出てくしかなくて、居たければ笑ってればいい」と都内のマンションに暮らす4人の男女、まあ、いうならばルームメイトでしょうが、そんな軽さが無い若者たちなのです。映画会社に勤めている直輝(藤原竜也)、イラストレーターの未来(香里奈)、フリーターでアイドルとの秘かな恋を享受する琴美(貫地谷しほり)、大学生の良介(小出恵介)は、どちらかというと楽しんで生活を送っているというより、それぞれが心の中に焦燥感を抱え、自分探しをしながら、表面は優しさと怠惰さを装っての生活を送っていた。そんなサークルの中に、新宿2丁目を中心に、その日暮らしをしているサトル(林遣都)が現われ、マンションの中に加わってから事態は変ってくる。近所で起った、若い女性を襲う事件もストーリーの味付けにし、サスペンスが盛り上がっていく。
 香里奈が存在感を示し、サトルを演ずる林遣都が異色な役柄を好演している、最近の邦画の中ではピカイチの映画になっています。
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「パレード」劇場・作品情報
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(C)2010映画『パレード』製作委員会

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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