おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


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オーケストラ!

2010-04-08
オーケストラ!

 1937年に日本で公開された映画に「オーケストラの少女」というヘンリー・コスター監督、ディアナ・ダービン主演の作品がありました。失業した演奏家たちで作ったオーケストラが高名な指揮者レオポルド・ストコフスキーにタクトを振ってもらおうとするストーリーで、ダービンがオーケストラをバックに“乾杯の歌”を歌うなどして演奏風景が売りでありました。この「オーケストラの少女」を髣髴(ほうふつ)させてくれる映画の登場であります。
 「オーケストラ!」は、ロシアのボリショイ交響楽団で指揮者として活躍していたのに、今は楽団の劇場の清掃員として働いている男が、ひょんなことから交響楽団のパリ公演の依頼のFAXを見て、1980年に政府のユダヤ人排斥政策に反対したためクビになった楽団員を集めて偽のオーケストラを結成し、ボリショイ交響楽団としてパリに乗り込もうという奇想天外なストーリーなのであります。本当にバレないでパリ公演を開催出来るか…。全員のパスポートや楽器はどうするのか…。この元指揮者の男の心の中にある風景とは何なのか…。話はとても面白く、フランス映画的に展開されていきますが、何より素晴らしいのはラスト12分の若手女性ヴァイオリニストの演奏する、チャイコフスキーの“ヴァイオリン協奏曲”の圧巻です。もう、このシーンだけで充分感動します。心からおすすめ!!
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「オーケストラ!」劇場・作品情報
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(C)2009 - Les Productions du Tresor

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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