おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


【注目】
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プレシャス

2010-04-22
プレシャス

 映画を見ていてスゴイなぁと思うのは、どんなに使い古されたテーマでも描く手法が斬新だと感動してしまうことです。黒人でブスで、学校で教わることを理解出来ない16歳の女の子。スラムで生まれ、12歳の時、父親に犯され妊娠し、子供を出産して母親になってしまったという悲惨さ、そして今、また妊娠している状態。父親は行方をくらまし、スラムのアパートに母親と暮らし、毎日、肉体的・精神的な虐待を母親から受けている女の子。今までにもテーマとしてはあったものでした。女の子の名前は“プレシャス”、この名前が映画のタイトル「プレシャス」になっています。この悲惨なストーリーを、プレシャスが、自分は惨めだと思った時、ある妄想にふけることで、それを回避する姿勢に設定したため、観る側も深刻に感じないでスクリーンを見つめつづけることが出来ます。その妄想とは、プレシャスはエンターテイメントの世界でのスターというもの。歌を唄い、ダンスをし、美しい男の子にかしずかれている…というもの。主演のガボレイ・シディベはスカウトされた新人ですが、正反対のこの二つの姿を、真にうまく見せてくれています。母親メアリーのモニークの素晴らしい演技に注目。とにかく優れた映画です。
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「プレシャス」劇場・作品情報
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プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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