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ぼくのエリ 200歳の少女

2010-07-08
ぼくのエリ 200歳の少女

 21世紀に入って、かれこれ10年くらいの時が流れました。時間がたっていくにつれ、色々なものが“様変り”してきます。ホラー映画の主役たちも随分と変ってきました。いちばんは“リビング・デッド(ゾンビ)”でしょう。行動する動きが速くなったり、水の中でも生きている(?)ことも可能になり、人間だけを食べるのをやめ、餌を食べるようにもなりました。すでに進化です。次に大きく変ったのは“ヴァンパイア(吸血鬼)”です。“ドラキュラ”全盛期の頃は、血を吸う相手は“処女”でなくてはいけませんでしたが、今は相手かまわずであります。十字架も聖書も怖くない、太陽の下でも生きていけるし、大蒜(にんにく)なんて屁でもなく、ホモの吸血鬼も出てきました。  さて、「ぼくのエリ 200歳の少女」です。スウェーデンのスティーブン・キングと称されるヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの“モールス”を作者自身が脚色し、トーマス・アルフレッドソンが監督しての映画化です。今回の“吸血鬼”は12歳ぐらいの少女です。ストックホルムの郊外の集合住宅で母親と暮す少年オスカーはいじめられっ子。同級生3人組に毎日苛められている。そのオスカーが、隣の部屋に引っ越してきた少女エリと雪の降る夜に出会う。映画は“ボーイ・ミーツ・ガール”ものですが、誰も予想すら出来ない展開をします。ラストのシークエンスは拍手喝采ものです。どこまでもリリカルに仕上がっていて、とても好感持てるホラー・ファンタジーです。
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「ぼくのエリ 200歳の少女」劇場・作品情報
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(c) EFTI_Hoyte van Hoytema

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。

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