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おすぎのシネマ言いたい放題|映画評論家おすぎが、公開映画を一刀両断!いま観るべき映画の答えは、このなかにある!


【注目】
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瞳の奥の秘密

2010-08-12 written by おすぎ
瞳の奥の秘密

 本年度の“米アカデミー賞外国語映画賞”でオスカーを手にしたのがアルゼンチン映画の「瞳の奥の秘密」であります。アルゼンチンの映画なんて…と思っていたのは確かでした。当てにしないで試写を見ました。見終った時、“これぞ映画!!まぎれもなく素晴らしい映画だ!!”と思いました。あまりの感動に目には涙が滲んだくらいです。まず、ストーリー展開、ということは脚本のうまさ(エドゥアルド・サチェリ/ファン・ホセ・カンパネラ)と監督の端正かつ綿密な演出力、そして映像の適確さと美しさ(サスペンスを盛り上げる何気ない雰囲気作り、そして冒頭にフラッシュバック的に使われる映像が、物語が展開するにつれ、えっ、ここに入るのォ、という驚きも…)。何よりアルゼンチンの俳優、女優を私たちは知らないから、登場人物総てがリアルに見えるというのも、この映画に入りこんでしまう要素のひとつでしょう。刑事裁判所の捜査官を定年退職したベンハミンは、孤独な時間をもてあまし、25年前の殺人事件を題材に小説を書こうと決意し、調査目的で久し振りに元の職場を訪れる。元の上司で、今は女検事として活躍しているイレーネと会い、小説を書くことを告げる…。そして1974年の事件当時の回想に入っていく…。1970年代のアルゼンチンの政治、環境は腐敗しきっていた…。過去と現在が交叉して、ラストは驚愕の出来事で終わります。サスペンスとラブストーリーが一体となって感動の真っ只中へ…。必見です。
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「瞳の奥の秘密」劇場・作品情報
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(C)2009 TORNASOL FILMS - HADDOCK FILMS - 100 BARES PRODUCCIONES - EL SECRETO DE SUS OJOS (AIE)

ヒックとドラゴン

2010-08-05 written by おすぎ
ヒックとドラゴン

 夏は“夏休み”ということもあって、内外のアニメーションが映画館にかかります。「トイ・ストーリー3」も傑作といっていい出来栄えでしたが、ドリームワークス製の「ヒックとドラゴン」も、なかなかの出来であります(ちなみに「借りぐらしのアリエッティ」は私は良しとしません。小人と人間、小人と小道具のサイズが一定していなくて、イライラしてしまったからです…)。バイキングが活躍してた時代、海の向こうのバーク島では、バイキングが村を守るため、ドラゴンと長年にわたって戦いを繰り広げていました。族長の息子のヒックはひ弱な少年でした。何時か自分も父親のような立派なバイキングになろう、という気はありましたが、なんせ、背は低いし、力も弱かったのです。でも、頭はよく、手先は器用で、なによりも優しい人柄でした。友達がいないヒックがある日、島で出会ったのが、傷ついたドラゴン“トゥース”でした。尾っぽの片翼を怪我していて、空を飛ぶことの出来ないトゥースのため、ヒックは人工の片翼を作ってあげ、トゥースの背中に乗ってコントロールすることで、トゥースは空を飛ぶことが出来るようになります。しかし、このふたりの関係が村の皆に知られてしまったのです…。劣等生が、かけがえのない友達を持つことによって、自分たちだけでなく、民族とドラゴンの仲間たちが繋がっていくというファンタジーは、大人も楽しく見られます。見終って後味の良いアニメーションです。
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「ヒックとドラゴン」劇場・作品情報
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(C) 2009 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.

ソルト

2010-07-29 written by おすぎ
ソルト

 今度のアンジーは300万カラットの煌きだぁと大声で叫びたくなるほど、“華麗な容姿”と“アクション”を見せてくれるのが「ソルト」であります。アメリカCIA本部。ロシアから謎の密告者オルロフが捕えられ、その尋問を“ソルト(アンジェリーナ・ジョリー)”が担当する。オルロフは今日、ロシアから大統領を暗殺するためにスパイが送りこまれると衝撃的な告白をしはじめる。ソルトは、そんなヨタ話はケッコウ、私は忙しいからと部屋を出ようとした。その後姿にオルロフは告げる、「そのスパイの名前は…ソルト」と…。
 このオープニングから観客はスクリーンから目を離せなくなります。驚くべきストーリー展開に一瞬、目くらましをくらったみたいな衝撃を受けます。何が起っているのか考えている間に、もう次の出来事が起り、それがあっという間に、別のエピソードに繋っていきます。その進行はほとんどアクション。CIA本部から逃走するソルトの姿は、それこそ、アレヨアレヨという手際の良さ。しかしそのあと知らされる真実のあまりの衝撃に、口をポカーンとあけてしまいます。私は、もしかしたらソルトの罠にはまってしまったのか…。何が真実で、何が偽りなのかの判断がつかなくなっていきます。ソルトの同僚にリーヴ・シュレイバー、CIAの捜査官にキウェテル・イジョフォーらが出演し、オルロフには「ブリキの太鼓」のヴェテラン、ダニエル・オルブリフスキーが顔を見せています。必見!!
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「ソルト」劇場・作品情報
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エアベンダー

2010-07-22 written by おすぎ
エアベンダー

 すでに公開中でありますが、「エアベンダー」は、M.ナイト・シャマランの人格が変ったのでは無いかと思ってしまうほどに面白く出来上っています。どのくらいシャマランには痛い思いをしてきたことか。「シックス・センス」はともかく、「サイン」「ヴィレッジ」「レディ・イン・ザ・ウォーター」「ハプニング」と…。見れば、必ず落胆すると判ってもシャマランと聞くと見に行ってしまう自分を呪う自虐的な私でしたが、今回はオープニングからスクリーンに見入ってしまいました。
 かつて世界は“気”“水”“火”“土”の王国が調和をとって存在していたのです。ところが、“気”の王国の中から“アバター”と称される4つのエレメントを操る者が出現すると知り、“火の国”が他の国を軍事力で抑えこみ、植民地化するか全滅させるかして100年の時が流れた。北方の“水の国”に“水”を操るウォーターベンダーの能力を持つ娘カタラと、その兄のサカが狩りの途中、氷の平原にさしかかると、氷の中から巨大な球体がせり上がってきて、それを破壊した時、強大な気の力で、ふたりは飛ばされてしまう。そして球体の中にいたのが12歳のアンという少年で、彼はエアベンダーとしてのスキルだけでなく、“アバター”として世界に君臨するべき人物だったのである。 アンと火の王国の戦いが始まろうとしていた…。CG映像のスゴさと登場人物のユニークさとストーリー展開のテンポの良さで必見の一本に…。
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「エアベンダー」劇場・作品情報
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(C)2010 Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.

借りぐらしのアリエッティ

 スタジオジブリの最新作で前売りの売り上げが史上最高とか言われているのが「借りぐらしのアリエッティ」であります。原案というか原作というかは、イギリスの作家メアリー・ノートンの“床下の小人たち”でありますが、それを現代の日本に移し変えての映画化です。
 少年翔は心臓の病気で、一週間後に手術をするというのに父にも会えず、忙しい母は海外へ出張というので、祖母の家にあずけられるところから始まります。庭に出て歩いている時、彼は小さな人間を見つけます。それが床の下で生活している小人の一家のひとり娘アリエッティでした。父ポッドと母ホミリーの3人暮しで、生活の必需品は人間たちが住んでいる床の上の家から“借り”て生活しています。ですから、映画の冒頭でポッドと一緒にアリエッティは“かり(狩り)”に出掛けます。“角砂糖”と“ティッシュペーパー”などが“獲物”で、床の下を歩くことが大冒険になります。鼠、ゴキブリ、白蟻、コオロギなどが天敵だし、人間の住む床の上に行くには困難が山積みであることを見せてくれます。フーンこんな風なファンタジーがあるんだ、と思いながら、リュック・ベッソンの映画と似ていなくもないかなぁ、それにしてもストーリーが単純すぎて、山あり谷ありにならないなぁ。アリエッティのキャラも悪くないし、翔も美少年だし、バックの絵なんか綺麗に出来ているのに…と、何かもの足りなさを感じてしまいました。小人たちのサイズの実感が無いのも難!!
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「借りぐらしのアリエッティ」劇場・作品情報
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2010 GNDHDDTW

ぼくのエリ 200歳の少女

 21世紀に入って、かれこれ10年くらいの時が流れました。時間がたっていくにつれ、色々なものが“様変り”してきます。ホラー映画の主役たちも随分と変ってきました。いちばんは“リビング・デッド(ゾンビ)”でしょう。行動する動きが速くなったり、水の中でも生きている(?)ことも可能になり、人間だけを食べるのをやめ、餌を食べるようにもなりました。すでに進化です。次に大きく変ったのは“ヴァンパイア(吸血鬼)”です。“ドラキュラ”全盛期の頃は、血を吸う相手は“処女”でなくてはいけませんでしたが、今は相手かまわずであります。十字架も聖書も怖くない、太陽の下でも生きていけるし、大蒜(にんにく)なんて屁でもなく、ホモの吸血鬼も出てきました。  さて、「ぼくのエリ 200歳の少女」です。スウェーデンのスティーブン・キングと称されるヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの“モールス”を作者自身が脚色し、トーマス・アルフレッドソンが監督しての映画化です。今回の“吸血鬼”は12歳ぐらいの少女です。ストックホルムの郊外の集合住宅で母親と暮す少年オスカーはいじめられっ子。同級生3人組に毎日苛められている。そのオスカーが、隣の部屋に引っ越してきた少女エリと雪の降る夜に出会う。映画は“ボーイ・ミーツ・ガール”ものですが、誰も予想すら出来ない展開をします。ラストのシークエンスは拍手喝采ものです。どこまでもリリカルに仕上がっていて、とても好感持てるホラー・ファンタジーです。 -----------------------------------------------
「ぼくのエリ 200歳の少女」劇場・作品情報
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(c) EFTI_Hoyte van Hoytema

トイ・ストーリー3

2010-07-01 written by おすぎ
トイ・ストーリー3

 ディズニー&ピクサーというより、ピクサー、それも製作総指揮のジョン・ラセターがスゴイということなのでしょう。今回公開される「トイ・ストーリー3」(“3D”方式での公開)はアニメーション映画というものを突き抜けています。私は実写映画とアニメ映画を同じ次元で論じるのをヨシとしなかったのです。そりゃあ、ディズニー・クラシックスを見て育ってきたのに、それを言っちゃあ、おしまいよ的なのですが、どこかアニメ映画には“お子ちゃま”映画であるという偏見を持っていたのです。ところが、今回の「トイ・ストーリー3」は、そもそもの発想が、当たり前のことだけど、そこに気がつく人って少ない、いや当然のことだからスルーしてしまってもいたしかたなき、と誰もが思っているところにスタート地点を持ってきた快挙なのです。“おもちゃは、ご主人様が成長する過程で忘れさられていくものだ”という当たり前のことを出発点にしたことです。忘れ去られ、捨てられてしまったおもちゃの人生を描く。子供だったご主人が大学に行くため、家を出ていく。そう、あのアンディが大学進学のため寮に入ることに…。
 ダンボールにつめられ天井裏の物置きに入れられたバズ・ライトイヤーと仲間たち。アンディの一番のお気に入りのカウボーイ人形のウッディも一緒に、何かの手違いで“サニーサイド”という保育園に寄付されてしまう。そこには地獄が待っていた…。果たして彼等の運命は…。私はアニメを見ていることを忘れてしまいました。
 ワッハハと笑い、ハラハラと心配し、クシュと涙ぐみ、感動しました。
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「トイ・ストーリー3」劇場・作品情報
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(C)DISNEY / PIXAR

エルム街の悪夢

2010-06-24 written by おすぎ
エルム街の悪夢

 あの「エルム街の悪夢」がスクリーンに帰ってきました。それも優れた作品として…。ただのリメイクではなくて、言ってみれば“エピソード1”的なストーリーになっています。
 “エルムストリート”に住むナンシー、クリス、クエンティ、ジェシー、ディーンは、夜になると同じ夢にうなされます。そう、あの赤と緑のストライプのボロボロのセーターを着て、焼けただれた顔を半分隠しているフェドーラ帽をかぶり、指の部分が鉄の刃になっている“フレディ・クルーガー”が現れるのだ…。何故、彼等にだけ…。ストーリーは、この因果関係を暴いていきます。当然、フレディは何者なのかが明かされます。そして、若者たちの親たちも関与していたのです。そこにケッコウ、うっすらと猥褻感が漂います。
 見所は3つあります。まず、現実から夢に移行する時の映像のスムーズさであります。寝不足のため、コックンと眠りに入った時の夢の世界が抜群に面白い。それから、ナンシーとクエンティンがフレディと対決する時、“眠る”という状態に入る。そりゃあそうだ。眠らないとフレディに会うことは出来ないから当然なのだけど、この発想が好き。3つ目は今回、フレディに扮するのが、15年間ハリウッドから離れていて、「リトル・チルドレン」でその実力を見せてくれた、あの「がんばれ!ベアーズ」の不良少年役のジャッキー・アール・ヘイリーなのです。これは必見の一本なのです。
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「エルム街の悪夢」劇場・作品情報
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(C) MMX NEW LINE PRODUCTIONS, INC.

クレイジー・ハート

2010-06-17 written by おすぎ
クレイジー・ハート

 本年度“米アカデミー賞主演男優賞”でオスカーを受賞したのが“ジェフ・ブリッジズ”でした。その時点で、この「クレイジー・ハート」という映画は未見だったので、ニューヨークですでに見ていた友人の渡辺祥子さんに聞いたところ、「ジェフが最高!!とてもいいのよ!!」と絶賛だったのです。そして、試写でした。ファーストシーンからスクリーンに入りこんでしまいました。一時は“伝説のシンガーソングライター”とまで呼ばれ、人気者だったバッド(J・ブリッジズ)も、57歳の今はドサ回りの歌手となり、今日もコロラドのボーリング場での小さなコンサートに向かうために車を運転している、というのが冒頭の車の走りのシーンなのです。車を走らせるというのが日常になっている生活を、ファーストシーンから美事な映像処理で見せてくれるのは、俳優から監督になったスコット・クーパーであります。彼は脚本、製作も担当し、つくづく映画は脚本が良くないと話にならないなぁと感じ入りました。マギー・ギレンホール扮する子持ちの記者とのラブストーリーもありますが、ロバート・デュヴァル扮する親友のバーのマスターや、バッドの弟子で今ではカリスマシンガーとなっているトミー・スウィート役のコリン・ファレルとの男同士の関係を描いている部分は最高であります。中年男3人が歌を披露してくれます。
 特にC・ファレルには拍手、拍手です。本格的音楽ドラマの秀作を堪能してください。
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「クレイジー・ハート」劇場・作品情報
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(C)2009 Twentieth Century Fox

アイアンマン2

2010-06-10 written by おすぎ
アイアンマン2

 2008年に公開された「アイアンマン」は世界的ヒットをしましたから、当然、シリーズ化されると期待されました。それが現実となったのです。シリーズ化されて2作目というのは大体が1作目より劣ってしまうことが多いのですが、今回の「アイアンマン2」は前作よりバージョンアップしての登場であります。まず、映画が始まって何分もたたないうちに“最大の見せ場”を用意しています。
 “モナコ・グランプリ”にトニー・スタークが出場する(この前にエキシビジョンに出てタレント並に踊ったり、アイアンマン・スーツの装着などを見せています)ことになり、会場はモナコのレースコースに移ります。そこにスタークへの私怨を持った“ウィップラッシュ”が、一撃で金属を真っぷたつにする武器“エレクトリック・デス・ウィップ”を手に現われ、レースカーを次々に襲います。この“ウィップラッシュ”に扮するのが誰あろう、あの「レスラー」でハリウッドに復帰した“ミッキー・ローク”その人であります。スターク役の“ロバート・ダウニー・Jr.”もアクの強い、どちらかというと“変態チック”な俳優ですが、それに輪をかけて“怪物チック”なロークが敵ですから、楽しくないわけがありません。
 ラスト、新しいエネルギー源を得たスタークと巨大な電流を武器にしたウィップラッシュの対決があります。そこにドン・チードルが加わり大アクションが…。スカーレット・ヨハンソンの意外な役での登場も予想外の嬉しさです。
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「アイアンマン2」劇場・作品情報
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TM & (c)2009 Marvel (c)2009 MVLFFLLC. All Rights Reserved.

プロフィール

おすぎ
1945年神奈川県生まれ。映画評論家。テレビ、ラジオ出演のほか新聞・雑誌の執筆、講演やイベントの企画制作など多岐にわたり活動している。
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