
▲つぐない
洋画部門
1.つぐない
驚愕の展開、途中からダムが決壊したくらい泣きました。
2.12人の怒れる男
S・ルメット版を越えて美事な出来栄え!!
3.バンク・ジョブ
事実を推理して、なお痛快な出来に脱帽!!
少年の頃と大人になった日の因果関係の作り方に感動
M・ストリープとV・レットグレーブの顔合せだけで満足!!
6.永遠のこどもたち
スペインの“ダークファンタジー”の新しい担い手に拍手!!
ここではベストに入れたくても漏れたものを中心に書きます。
「バンテージ・ポイント」の作りのうまさに感心し、「魔法にかけられて」の、アニメを逆手にとったアイディアにド肝を抜かれ、文句なく楽しみました。
「最高の人生の見つけ方」のジャック・ニコルソンの、クサイが、キッチリと演じるという姿勢に敬意を表し、「ジュノ」の高校生の妊娠に現代を感じ、「イースタン・プロミス」で私の知らないロンドンを知りました。「赤い風船」は40何年振りの再会で、「白い馬」と共にCGの無かった頃、これだけのファンタジーを撮りあげたラモリスに今さらながら頭が下りました。「カンフー・パンダ」はパンダが好きではなかった私に興味を持たせてくれただけでも感謝をしなければならない映画でした。
おバカキャラがブレークした今年の中で「俺たちダンクシューター」のアッケラカンとした笑いは嬉しかった。
ドキュメント映画は2本あります。「ヤング@ハート」平均年齢80歳のジイさんバアさんのコーラス隊に生きる勇気をもらいました。「ザ・ローリング・ストーンズ/シャイン・ア・ライト」マーティン・スコセッシの人柄と、その演出力、その編集の美技に酔い“R・S”のメンバーの姿は変わっても少年のような表情と心情に拍手を送ります。ラストの、カメラがニューヨークの夜景を撮るシーンのユーモアは何時までも忘れないでしょう。
さて、私のベストの中に入れてませんが、この年に見られたことを感謝しなけれいけない作品に「潜水服は蝶の夢を見る」があります。何故、これをベストの中に入れなかったかというと、この作品は映画という域を越えているからであります。左の瞼しか動かなくなった男が、コミュニケーション方法を見つけ、いや、周りの人間たちの中に、飛び抜けて優秀な人間がいて、主人公の元編集者と、コミュニケーションを取るために多大な努力をしたこと、それによって彼が、一冊の本を出版したこと、それを映画にしようとした連中、言葉にも出来ない行動力と決断、頭が下がる、というのはこのことでしょう。見ている間、楽しいところは一ヶ所もありませんでした。マックス・フォン・シドー演じる父親がヒゲをそるシーンのジョリジョリという音、言葉を交わすことの出来ない父親との電話、気がつかないうちに涙が頬をつたっていました。試写室が明くなった時“これが映画か”と自分に問いました。観たのだから映画なのでありますが、人間の力の無限さを知りました。色々な映画が存在しても当り前なのですが、人智を越えたものを果して映画といっていいのか…。だから別格にしました。
「潜水服は蝶の夢を見る」まではいきませんが、同じようなテクスチャーを感じた映画に「イントゥ・ザ・ワイルド」がありました。ショーン・ペンの心の中が手にとるように判った映画でした。自然の中に自分を置いたら、きっと、このように喜び、怖れるだろうと…。今年も、映画に暮れ、映画に明けた年でした。





