ストーリー
春(岡田将生)というのは、泉水(加瀬亮)の二歳下の弟の名前だ。
母・梨江子(鈴木京香)の命日に実家へ集った泉水と春、そして父・正志(小日向文世)は、正志お手製のおでんシチューを突きながら団らんを囲んでいる。大学院で遺伝子の研究をする泉水と、落書き消しの仕事をして働く春は、父と母の溢れるような愛情を受けてすくすくと育った。
その頃、仙台市内では連続放火事件が発生していた。
春は自分がグラフィティアートを消した場所の近くで、必ず放火が起きていることに気づき、泉水に相談する。
春が写した落書き現場のポラロイドには、壁に大きく描かれた「God」「Can」「Talk」「Ants」「go to」「America」といった文字。グラフィティアートは、遺伝子配列を使い放火現場を予告する暗号だった。
だが、放火と遺伝子にどんな関係があるのか? 頭を悩ます泉水に、大学院の友人・山内(岡田義徳)は、24年前に仙台市内で起きたある連続事件の犯人がこの地に戻ってきたことを知らせる。当時、高校生だった犯人は社会復帰を果たし、市内でデリヘルや売春の斡旋を行っていた。
衝撃を覚え、その場で動けなくなる泉水。幸せに暮らす梨江子が事件に巻き込まれていたという事実が、泉水の脳裏をよぎる。
その身元をつきとめた泉水は、デリヘル店のオーナー葛城(渡部篤郎)を尾行してタバコの吸い殻を入手する。大学院の研究室で、春の部屋から採集した髪の毛と照合し、泉水は葛城と春の親子鑑定を行う。ディスプレイ上に示された結果を見て、がっくりとうなだれる泉水。
葛城のマンションを訪れた泉水は、そこで犯罪を肯定する葛城の独善的な論理を聞き、ある決意を胸に抱く。
ネットで殺人の方法を検索する泉水。レンタカーを予約し、ロープやブロックを物色して、葛城と再度会う約束を取りつけた泉水のもとを春が訪ねてくる。
新たに見つかったグラフィティアートの写真を携え、今度こそ放火魔を捕まえようと話す春に、「そんなことやってるヒマなんかないんだ」と、抑えていた感情を爆発させる泉水。
外に飛び出た泉水は、そこで以前も何度か見かけた謎の美女(吉高由里子)の姿を発見する。
彼女はかつて春をストーキングし、泉水たちから「春を追いかけるから、夏子」という愛称で呼ばれていた女だった。全身を整形し、いまも春をつけ回す夏子は、泉水に向かって放火事件の真相に関わる衝撃的な事実を語り始めた――。


