風と雲と虹と
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【キャスト】

加藤 剛/吉永小百合/山口 崇/草刈正雄/新珠三千代/小林桂樹/西村 晃/ 星 由里子/多岐川裕美/仲谷 昇/宮口精二/米倉斉加年/露口 茂/奈良岡朋子/ 宍戸 錠/吉行和子/太地喜和子/緒方 拳 ほか

【スタッフ】
脚本:原作:海音寺潮五郎(「平 将門」「海と風と虹と」より)/脚本:福田善之/音楽:山本直純/ 制作:小川淳一、閑谷雅行/演出:岸田利彦、大原 誠、松尾 武、榎本一生、重光亨彦

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第一回「将門誕生」

延喜三年(903)坂東。平小次郎将門が誕生した。祝いの宴が開かれ、父、平良将は民人たちと共に焚き火を囲んでいたが、招かれた良将の兄・国香と良兼は、下人どもと同席はできないと怒り、帰ってしまう。それから十一年の時が流れる。良将は隆奥の鎮守府将軍に任命され、胆沢城へ向かった。良将は小次郎に坂東武者としての器量を身につけさせるため、陸奥に連れてゆくことにした。その道程、小次郎が後年宿敵として合間見えることになる若き日の田原藤太と出会う。

第二回「恋のあらし」

成人した小次郎は数年ぶりに故郷の地を踏んだ。母や兄弟との再会を喜ぶのも束の間、叔父たちに管理を任せていた良将の所領が彼らによって横領されているのではとの疑惑を耳にする。その真偽を確かめる石田の平国香のもとへ向かった小次郎は、国香の子で幼馴染の太郎貞盛と再会。筑波の燿歌に連れて行かれる。そこでは、男女が一夜の自由恋愛を楽しんでいた。小次郎も盗賊・鹿島玄道の暴力から助けた姫と一夜を過ごすが、姫は夜明け前に名も告げず走り去ってしまう。

第三回「矢風」

小次郎と夜を共にした姫は源家の姫・小督で、小次郎と別れた後、太郎貞盛と共に時を過ごしていた。源護の嫡男・扶の一団は妹・小督と太郎との仲を怒り、太郎の領地侵略を名目に帰路につく小次郎と太郎を襲撃した。盗賊の鹿島玄道・玄明の助けで何とか切り抜けたものの、源家と平氏一族との大問題になりかねない。太郎の詭弁により体よく悪者にされた小次郎は仕方なく、伯父・国香の指示通り源家との調停前に、父のいる陸奥へ帰ることとなった。

第四回「筑波の楓」

春。良将が血を吐いて倒れ、この世を去った。国香の側近・侘田真樹より、良将が陸奥へ赴く前に国香に預けた所領の手形が届けられたが、内容を確認すると足りない領地が有る。将門は国香の館を訪れ、疑問をぶつけるが、答えをはぐらかされてしまう。ある日小次郎は燿歌で出会った姫を見かける。玄明が現れ、その姫が源護の三女・小督であると告げる。夜になり小次郎は屋敷へ忍び込むが、姫の寝所を目前にして源護に見つかってしまう。

第五回「平安の都」

「この恋、わしは不承知じゃ。しかるべき人を仲に立てて申し込んでまいられよ」源護に告げられた小次郎は、国香に小督との結婚の仲立ちを頼む。領地を横領していた国香はこの話がうまくいけば諸事円満に片が付くと、快く引き受ける。しかし、源護はさらに結婚の条件として、しかるべき官位を得ることを挙げてきた。小次郎は官位を得るべく京へ向かう。京では、その後の小次郎の人生に大きな影響を与える、藤原純友との出会いが待っていた。

第六回「闇の群」

小次郎は小一条院・藤原忠平の御殿へ初めて出仕する。しかし門番に賄賂を渡さねば中へすら入れず、仕事場である待所へ案内されると家人たちは日がな一日博打をしている。退廃した貴族社会に小次郎は不満を募らせた。ある日待所で、以前は、皇子の館だったという荒れ屋敷のことが話題になった。好奇心が沸いた小次郎が、様子を見に行くと、落ちぶれた生活の影が見られた。恥をかかせてもいけないと声をかけずに帰るが、その姿を壁の穴から二人の女がじっと見ていた。

第七回「女盗有情」

初めてのお役目として主人・藤原忠平の文を届けた帰り道、小次郎は面をかぶった盗賊を見かける。思わず一人を弓で射殺し、その仲間と斬り合いになった。盗賊は傷を負い、その場から逃走。逃げこんだ先は藤原純友の館であった。面をとった盗賊の頭は純友の恋人・武蔵であった。小次郎のもとへ、何者かからの文が投げ込まれる。文の指示に従い出かけると、都外れのあばら家に傀儡たちと藤原純友が待っていた。やがて天下を揺りとどろかす二人の男の出会いである。

第八回「京の姫みこ」

螻蛄婆に案内されたあばら家には、なぜか小一条院の家人仲間・三宅清忠もいた。純友の弁はとうとうと続き、国を救うために「この国を、根こそぎひっくり返してやる」という。驚き、言葉もない小次郎。しかし純友という男に不思議な魅力を感じていた。嵐の翌日。一層荒れ果てた皇子の荒れ屋敷へ立ち入った小次郎は、足に怪我を負う。この怪我で屋敷の使用人に世話になり、その縁で小次郎は荒れ屋敷の女主人・貴子姫と出会う。姫は病の床についていた。

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第九回「火雷天神」

 

小次郎は貴子とともに、火雷天神へ病気平癒のお礼参りに行くことになった。奥の社へと案内され、貴子は巫女から宣託を受ける。「その道は東男の子の開かん道ぞ。まっしぐらに乙女よ行け」その言葉に貴子は喜ぶのであった。除目の季節がやってきた。如才なく手をまわした太郎は、左衛門府の少志に任じられたが、貴族たちへの進物もそこそこに貴子の屋敷を修復していた小次郎は、官位を得られなかった。その夜、小次郎が貴子の家で酒を飲んでいると太郎が訪ねてくる。

 

第十回「純友西へ」

 

藤原仲平の屋敷に、純友が呼ばれた。無位無官の彼を、生まれ育った伊予国の掾に任命し、都の追捕使とともに海賊討伐をしてほしいという。純友は伊予行きを承知するが、一方で海賊たちが元をただせば貴族の荘を追われた民人であるということも知っていた。その頃、小次郎は、女好きの太郎が貴子の屋敷へまめに通い、贈り物もしているということを聞く。貴子への太郎の接近に不安を感じる小次郎であった。

 

第十一回「餓狼の頭目」

 

純友は伊予へ向った。途中淡路島を縄張りとする海賊団の首領・藤原恒利と親交を結び、一方で海賊退治をしている山陰道の巡見使・藤原子高とも面会した。子高の、船乗りや漁師たちを、海賊の名のもとに日に何人と決めて、斬ってゆく手口に、純友は激しい怒りを感じた。そのころ京では、小次郎と三宅清忠が大学寮の学生から腐敗しきった貴族社会をたおすための決起に同心してほしいと頼まれる。二人は加担を断ったが、学生らは後日捕らえられる。

 

第十二回「剣の舞」

 

伊予に在る純友と螻蛄婆は越智半島の宮崎の浜に海賊の棟梁たちを集合させていた。出自様々な彼らを純友は、腐ったこの国を敵とする者として平等に扱った。そして、「賊であることを誇ろう」と熱く語る純友に、海賊たちは皆心を寄せた。一方小次郎は、成敗した賊の正体が貴族の子弟であったことを知る。小次郎の功名を羨んでいた同僚たちも、安堵感を含んだ冷たい目で小次郎を見ていた。

 

第十三回「酷い季節」

 

次男・二郎が麻疹にかかり失明してしまう。三条の方は、晴信の心がますます遠のくと悲しんだ。一方、諏訪で晴信に再会した湖衣姫は、早く戦いを終え三条の方のもとへ戻ってあげて欲しいと心から願ったが、平原城攻めは長引いた。真田幸隆の策略で平原の妻子を人質として捕え、ようやく城は陥落する。村上義清との決戦を前に、晴信は甲斐に戻り、川中島が善光寺平にあると知り、あここの墓標に「まもなく故郷の川中島に連れてまいる」と告げる。

 

第十四回「再開」

 

面を付けた盗賊の事件から、小次郎は海賊追捕使を率いる軍勢に加わらざるを得なくなった。小次郎を慕う貴子もそれを心から悲しんだ。そんな貴子の様子を見た太郎は、抑えきれない嫉妬の念が湧き上がり、貴子を強引に抱き寄せた。最初激しく拒んだ貴子も最終的には、彼を受け入れてしまう。伊予の純友は都からの海賊追捕使を皆殺しにするつもりであった。しかし玄明から小次郎も追捕使に加わっていることが伝えられ、彼だけを生かす方法を探ろうとする。

 

第十五回「伊予の海霧」

 

小次郎は伊予へ上陸、純友と再会を果たした。純友は密かに海賊の小屋で、都からきた追捕使を仲間や民人の犠牲無しに、しかも小次郎も無事のまま討ち取る方法を打ち合わせていた。海上の中島で海賊が集結しているという偽の情報を流すと同時に、板島あたりに別の一手が騒ぎを起こしたと、偽の使者によって知らせをもたらし、そこに小次郎と純友だけを向かわせるという算段が決まった。その夜、追捕使たちは霧深い海を中島へ、小次郎と純友は板島へと向かい出発した。

 

第十六回「恋の訣れ」

 

中島へと向かった追捕使の軍団は地元で集められた兵士を除き、玄明と海賊たちによって皆殺しにされた。一方、小次郎は板島へ向かう道中で土地の人々が海賊に敬意と親しみを表していることに衝撃を受けていた。海賊の下手が純友の元へ追捕使全滅を知らせる。それが純友にとっては予定通りの結果だったと気付いた小次郎は怒りに打ち震えた。任務を終え、都へ着いた小次郎は、貴子の屋敷へ向った。そこで見たものは、堂々と貴子の寝所へ入って行く太郎の姿であった。

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第十七回「曠野の蝶」


小次郎は坂東へ帰った。彼が留守の間、家を守っていた弟・三郎から領地に関して、また怪しい点があるという報告を受ける。真相を確かめようと上総の伯父・良兼のもとへ向かった小次郎は、美しく成長した良兼の娘・良子と再会する。明るく育った伯父の子供たちを見た小次郎には、良兼が悪意のある人間ではないように思えた。その良兼から、小次郎の家の土地は、亡き良将によって源護へ贈られたと聞く。納得のいかない小次郎の様子を見て、良兼は源家へ確かめに行こうと提案する。

 

第十八回「氏族放逐」


源護の家には、国香、良兼、良正の伯父も集まった。問題の土地の手形には譲状と国府の認可状が付き、いずれも手落ちなく規定の手続きを踏んだものであった。しかし書類の日付は父・良将の死後一年が過ぎ、小次郎が京へ上がってからの日付になっていた。伯父たちの言い訳に納得のいかない小次郎は、土地に詳しい翁を証人に立てようとした。しかし、翁は突然飛んできた矢に胸を射抜かれ「ここはあなたのお家の領地」と言い残し、息絶えてしまう。

 

第十九回「桔梗の里」


良兼の娘・良子の明るさに好感を抱いていた小次郎は、菅原景行を仲立ちに、結婚を申し込むことにした。良兼は驚くが、礼を尽した頼みに気を良くし、良子をやってもよいと思った。しかし源家出身の妻・詮子は、良子を弟・源扶の嫁にし両家を重縁の仲にしたいという。妻の意に逆らえぬ良兼は、その意を受け入れ、小次郎の申し出を断った。小次郎は断られただけでなく、良子の嫁ぎ先が源扶の所と知り、胸中穏やかでなかった。

 

第二十回「良子掠奪」


使用人の小春丸から小次郎へ、良子の輿入れの日取りの情報がもたらされた。小次郎は、腹心の郎党・伊和員経とともに源家へ向う良子の列を襲い、良子を豊田の館へ連れ帰った。気まぐれで自分をさらったと思った良子は憤慨していた。しかし、小次郎が正式に結婚の申し出をしたのに良兼が勝手に断っていたことを知った良子は、小次郎の嫁になることを決心する。その日の夜、二人は質素な祝言を挙げ、家族や家人、傀儡の人々や民人たちに祝福された。

 

第二十一回「欺し討ち」


小次郎の館・豊田への出陣の準備に忙しい良兼の許に、良子からの手紙が届く。娘の幸せそうな文面に決心の揺らぐ良兼であった。病の床についてしまった良兼に代わり、詮子が家を取り仕切る。小次郎の使者として上総を訪れた玄明は、詮子から小次郎自身が源家へ行き、侘びを入れれば事態が収拾すると進言された。小次郎はその言葉を信じ、早速源家へ出かけて行くが、源扶と平国香の軍勢の欺し討ちに遭う。一行は全滅、逃れられたのは小次郎と郎党の二人だけであった。

 

第二十二回「修羅の旋風」


後詰の三郎軍と合流した小次郎率いる豊田軍は、形勢を逆転させる。劣勢となった源軍は敗走、扶も弟たちと自らの左目を失った。石田の館へ小次郎の軍が押し寄せたときには、源軍に組した国香も背に矢を受け既に死んでいた。国香の郎党・佗田真樹が仇討ちを仕掛けるが、小次郎はそれを制止し、都へ行って太郎に事の次第を伝えるように言う。夜、貴子の部屋で休んでいた太郎のもとに国香討死の知らせが届く。太郎は小次郎が親の仇となったことが信じられなかった。

 

第二十三回「あだ桜」


太郎は父の死を悲しみつつも、都を離れたくなかった。栄達の道に背を向けて、坂東での争いに巻き込まれるなど真っ平であったのだ。そのうち親を討たれても、坂東へ帰らない太郎を揶揄する歌が流行りだす。藤原忠平はその歌が追捕使に参加させている坂東者の武勇の信頼を失わせるのを恐れ、なかば強引に太郎を坂東へ返すことにした。太郎帰郷の知らせは、小次郎のもとへ玄道によってもたらされた。やはり太郎と戦わなければいけないのかと小次郎は憂鬱であった。

 

第二十四回「川曲の戦い」


坂東へ帰ってきた太郎は菅原景行に仲立ちになってもらい、小次郎と対面した。今までのことを全て水に流すことにした二人は、また会おうと言い笑顔で別れた。詮子は相変わらず良兼に豊田への挙兵を促し、良兼もとうとう良正とともに兵を挙げることにした。戦は良正と小次郎の一騎打ちで始まった。しかし、刀が折れても向ってくる小次郎の姿に、良正は底知れぬ恐怖を覚え、背を向け逃走した。小次郎は勝った。しかしこの勝利は、次のより大きな戦いへの導火線でしかなかった。

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第二十五回「風の決意」


小次郎将門勝利の知らせは螻蛄婆によって伊予の純友にももたらされた。その頃純友も、役人を辞めることを決意していた。彼は伊予の守と介、そして第二の追捕使として赴任した大中臣安継に「天下諸々の悪の根源は朝廷と都の高貴な方々である!」と意見すると、国府を後にし、海賊とともに日振島へと向った。そのころ坂東では、良正と詮子、良兼が、民人に無理を強いても六月という一番の農繁期に兵を集めて、豊田を攻めることを画策していた。

 

第二十六回「海賊大将軍」


京では貴子の屋敷が炎上、居場所を失った貴子は山道をあてどなく歩いていた。その頃、西国の純友は日振島に入り、「海賊大将軍」となっていた。また坂東の小次郎は千余騎という、坂東の合戦史上、最大の良兼勢を迎え撃つ準備を整え、太郎は弟・繁盛や佗田真樹に迫られながらも、合戦には参戦しない構えを見せていた。太郎は、その参戦しないという自分の心を文にしたため小次郎に送ることにした。母・秀子は彼の思いを理解し、それを自ら、豊田へ届けることを申し出る。

 

第二十七回「折れた矢」


朝。太郎は、夜中に繁盛と佗田真樹が勝手に合戦支度を整え、良兼の軍へ合流したことに気付く。彼は母・秀子に手紙を持たせて急ぎ豊田へ向わせ、自分は繁盛たちの後を追った。良兼の陣に入った太郎は、繁盛らを連れ戻すどころか、参戦を説得され、致し方ないと陣に残ることにする。秀子から太郎の手紙を受け取り、感激していた小次郎は、物見に出ていた玄明からその報告を受け、強い怒りを露にする。そして、秀子に「もう昔の二人に戻ることはない」と告げ、太郎の元へ返した。

 

第二十八回「坂東震撼す」


良兼・良正らの率いる軍は二千三百騎にも膨れ上がっていた。細く長くなって進む大軍に、小次郎たちは、百騎余りで、横から矢を射かけて軍を分断し蹴散らした。小勢での勝利に喜ぶ小次郎とその兵士たちの士気は、ますます上がり、脱走する良兼軍は、下野の国府近い豪族の館へ逃げ込む。攻めかけようという三郎に小次郎は「もうこの辺でよかろう」と、引き上げを命じる。しかし、今度の勝利は坂東八か国を文字通り震撼させ、中央の権力と対立してゆく道の確実な始まりとなった。

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第二十九回「脅える都」


勝利の夜、小次郎は下野の国府へとやってきた。事の経緯を国府に記録させるためである。小次郎の堂々たる態度と率直さは国府の役人たちを感動させるほどであった。小次郎の快進撃の様子は全坂東へと広まり、更には京の朝廷にも伝わった。小次郎の勢いが危険すぎると感じた小一条院・藤原忠平は小次郎、そして源家の者を裁きのため上洛出頭させることにする。京への旅立ちの宴に、太郎の文を携え菅原景行がやってくる。しかし、小次郎は太郎を決して許さないと景行に話す。

 

第三十回「遊女姫みこ」


京の小一条院へ着いた小次郎はすぐに藤原忠平には会えず、まずは家司の藤原子高と面会することとなった。忠平に会いたければせっせと進物をもってこいという意味であった。夕方、小次郎は小一条院へ向かう途中で見た、貴子の屋敷の焼け跡へ再び足を運ぶ。すると玄明が現れ、貴子の居場所を教える。吸い込まれるように歩いてゆくと、そこには遊女宿があった。「まさかこんな所に」と小次郎は思った。しかし、部屋に現れた女は紛れもなく、貴子その人であった。

 

第三十一回「龍と虎と」


貴子が遊女となったいきさつを聞いた小次郎は、このままの境遇に置くことが耐えられなかった。しかし、まずは裁きに勝たねばならず、自由になる財物は乏しかった。その状況を知った純友は、名を伏せて貴子の身請け金を出す。自由の身になった貴子は一路小次郎の屋敷へと向い、小次郎も貴子を迎え入れた。年が明け、小次郎は検非違使庁に出頭、藤原忠平と面会した。純友との仲を疑う忠平に、まっすぐな視線で「私にとって大切なのは坂東の土地と人々です」と力強く訴えた。

 

第三十二回「裁きの春」


藤原純友が京に潜伏しているという連絡を受けた藤原子高は、純友を捕らえるべく東山の屋敷へ踏み込んだ。しかしそこに純友の姿はなかった。間一髪のところで螻蛄婆たちが助けたのである。春になり、小次郎と源家の裁きが終わった。判決が言い渡され、小次郎にも罪は有るが、大赦をもってこれを許すという。源護たちへの判決もほぼ同じであったが、将門の主張をより認めた判決に源扶と詮子は激しく怒り、公の意に背いても小次郎を討つと心に決めた。

 

第三十三回「凶兆」


小次郎は坂東の豊田へ帰り着くと、初めて目にしたわが子を嬉しそうに抱き、豊田丸と名づける。そして良子は小次郎を唯一の頼みとして京よりやってきた貴子を、複雑な気持ちを押し殺し、温かい笑顔で迎え入れた。その頃、伊予に新任の守として紀淑人が着任した。優れた洞察力を持つ紀淑人に純友は全身が冷たくなるようなものを感じていた。そして、彼の示す海賊懐柔策に海賊団の少なくとも半分は乗るだろうと感じた。それは純友にとって一時とはいえ挫折であった。

 

第三十四回「将門敗る」


小次郎が水守へ出陣しようとすると、旗が風に飛んだ。最も不吉とされる事態に兵たちの士気は一気に萎んだ。また良正たちの、高望王の像や父・良将の画像を軍の先頭に立たせるという卑劣な策に、小次郎の軍は攻撃を仕掛けられず、総崩れとなり、村々も全焼した。民人たちの心からの悲しみに、小次郎は頭を下げ、いつかはこの里を豊かにすると誓う。そして、館では情勢不利と見た貴子が、再び太郎の元へ行こうとしていた。どんな時も男に頼ることしかできない貴子に小次郎は失望を禁じえなかった。

 

第三十五回「豊田炎上」


暑さと度重なる戦の疲れから小次郎は脚気を起こしていた。何とか良子以外には病を悟られまいとする小次郎であったが、戦場で落馬。その様子を見て勢いづいた良正勢が小次郎勢に襲い掛かり、再び小次郎は敗走した。豊田の館からも退却を余儀なくされた小次郎主従は、村人たちの協力で森の中へ身を潜めることとなった。しかし、村人たちが小次郎に力を貸したことが露呈。源扶たちは村に非道な仕打ちを課そうとする。村長は村人たちを守るため、我が手で息子の命を奪わざるを得なかった。

 

第三十六回「貴子無惨」


良子と貴子の一行は、扶たちの罠にはまり囚われの身となった。徒歩で水守へ向う途中、貴子の歩みが遅れる。護衛の兵士たちは一時は遊び女となった貴子を本隊から引き離し、暴行する。水守で貴子の到着を待っていた太郎は、貴子の姿がないことから事態を推察し、山奥へと馬を走らせた。しかし時既に遅く、貴子の亡骸を抱き、怒りと悲しみの涙を流した。その頃、息子を殺めた村長と村人たちは、良兼勢への反撃を始め、小貝川と鬼怒川に挟まれた地域に一大砦を築いていた。

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第三十七回「民人の砦」


夜、良正たちは砦と化した村の様子を伺いにやってくる。村の回りは正面だけでなく、いたる所に罠が巡らされ、無用心に踏み込んだ兵たちは次々と痛手を負った。また玄道率いる少数の村人たちが大軍を装い雄叫びを発するのを見た良正は、勝算なしと見て兵を引き揚げた。その頃、森に潜む小次郎の許には敗戦のため散り散りになっていた郎党たちが集まり始め、水守では、囚われ人となっていた良子が良正の正妻の計らいで、実家である上総の良兼の元へと移送されることが決まった。

 

第三十八回「良子脱出」


良子が上総の良兼館に到着した。詮子は良子を囚われ人として扱い、良兼も弟たちも容易に会うことが出来ない。弟たちの姉に会いたいという願いに、良兼は「構わん、姉に会うてやれ!」と声をあげ、一年半ぶりの再会を果たす。しかし、腹を立てた詮子は源家へ帰ってしまう。良兼は激しい怒りを感じつつも、詮子を追って常陸府中へと向かう。その隙に良子の一番上の弟・公雅は、玄明や桔梗とともに、良子たちを館から逃がしてやることに成功する。

 

第三十九回「富士噴火」


良子との再会を果たした小次郎が新しい根城を石井に定めると、良兼らの軍が再び動き出した。小次郎は京から分祀した火雷天神へ詣で、戦勝を祈願する。すると一人の老婆が神懸かり、小次郎に火雷天神として語りかけた。「恩に報いてやるべしよ、わしが旗たて戦に行け!」火雷天神の旗を掲げた小次郎は、その後、宣託通り戦わずして良兼らの軍を退けた。しかし、老婆の宣託はまだ残っていた。「山が火を噴く、夏が冬に、冬が夏に!」「世の中が変わる!」

 

第四十回「夜襲」


宣託通り富士山が大噴火をした。小次郎は火山灰が降り作物に影響が出ることを心配し、館には十名を残して里人たちを家に帰した。その頃、上総の良兼は小次郎を倒すには奇襲以外にないと考え、小次郎の使用人・小春丸を懐柔し石井の館に手引きさせた。床に就いていた小次郎に、玄明によって夜襲が伝えられる。「戦うだけが唯一の生きる道だ」と兵たちに伝え、小次郎は八十名の敵兵に、たった十名で立ち向かうことを決意する。

 

第四十一回「貞盛追跡」


「今こそ弟たちの仇を討つぞ」扶と、小次郎の一騎打ちが始まった。激闘の末、小次郎の一撃を受けた扶は、良子に「あなたとは妙な縁だったな」という言葉を残し息を引き取る。その後、太郎は生活基盤を京へ戻すために、また朝廷工作のために京へ向うことにした。太郎の一行を見かけた田原藤太は小次郎にそれを知らせた。追いかけて討とうという三郎に、小次郎は「太郎を討つならおれの手で打つ」と覚悟を伝える。そして同時に小次郎は書状を送ってきた田原藤太の心が気になっていた。

 

第四十二回「天慶改元」


たった一騎になった太郎に小次郎は弓を引くも、討つことはできなかった。太郎は再び入京し藤原忠平を頼った。忠平は公の権威で坂東の兵を集め西海平定に使おうと考えていた。そのために国司を皇族から起用。手始めに常陸の介として藤原惟幾が赴任することとになった。太郎も坂東一の豪族・小次郎将門の追討使に任命され、惟幾と共に再び坂東へと向うこととなった。その頃坂東では良子の父・良兼が他界。今際の際に立ち会えなかった良子は、小次郎と共に二人だけの法要を営んだ。

 

第四十三回「武蔵の風雲」


武蔵国の権守として坂東にやってきた興世王と源経基は、巡回視察を行う。土地々々での莫大な献上物が視察の目的であった。足立郡の郡司・武芝はこれを拒み、巡回当日、一族郎党屋敷を空にした。非礼に怒った興世王は報復として兵士たちに屋敷からの略奪を指示。両者は険悪な関係となる。小次郎は、鹿島玄道・玄明に頼まれ、彼らの仲裁を引き受ける。武芝と興世王は和解を受け入れるが、清和帝の孫であることが誇りの源経基は、郡司に頭を下げることが堪忍ならなかった。

 

第四十四回「玄明慟哭」


小次郎は和睦の印にと、武芝と興世王、両者の郎党たちを交えての酒宴を勧めた。郎党たちは、経基の郎党にも酒宴の恩恵に浴させてやろうと酒や肴を手に経基の引きこもる陣へと向った。軍が攻めてきたと勘違いした経基側の兵士たちは、彼らに弓を引き大混乱となる。小次郎たちは騒動をいさめに向うが、武芝の胸に一本の矢が放たれる。今際の際に、玄明は自分の母の形見の笛を武芝に握らせる。武芝は大きく目を見開くと、笑みを浮かべて息絶えた。武芝は玄明の父だったのである。

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第四十五回「叛逆の道」


凶作の村が多いにも関わらず、坂東各国の中でも藤原惟幾が介を勤める常陸国では租税の取り立てと徴用がひときわ厳しかった。玄明や武蔵たちは民人を過酷な追及から守ろうと民人と共に国府の不動倉を襲い、食糧を奪った。二棟目の不動倉襲撃で玄道が負傷。小次郎は玄道を自分の館に匿うことにした。家人たちは不動倉襲撃の大罪人を引き受けることは、小次郎自身が公に対する反逆者になってしまうと心配する。しかし小次郎は「それでもよい」と考えていた。

 

第四十六回「決断」


常陸の国府から石井へ、玄道・玄明を差し出せという文が届き、小次郎は従えぬと返書を送る。小次郎と常陸国府との書面による押し問答の末、常陸守・藤原惟幾親子は石井へ差し向けるべく、四千の兵を駆り集める。それだけの兵が来れば、下総の土地は踏み荒らされてしまう。小次郎も集められるだけの兵を集め、自ら打って出ることを決める。しかし、それは挙兵ではなく、あくまで不動倉襲撃の罪の許しを請うという建前で常陸国府へ参上する、というものであった。

 

第四十七回「国府占領」


常陸国府軍総大将・藤原為憲の宣戦布告を受けて、戦が始まった。しかし為憲は副将・太郎の「合戦は書物どおりにゆかぬ」という忠告を聞かず、兵法から学んだ戦法に固執したため、国府軍は惨敗した。小次郎の軍が国府へ押し寄せる。負けてもなお、尊大な態度を取る常陸守・惟幾に、小次郎は強い口調で国府の不徳を責め、降伏させた。そして同じ頃、石井の館では、不動倉襲撃の折負傷した玄道が、小次郎の勝利を信じながら息を引き取った。

 

第四十八回「坂東独立」


「天の命ずるところを奉じ、民の願うところにより正に八州の国司を討たんとす」小次郎は坂東八ヵ国へ檄文を送った。そして大軍を率いて各地の国府へと向い、印論(国府の印と、国府附属の倉庫や書類箱の鍵)を、次々と譲り受けた。上野国で兵たちを労っていると、酒宴の接待をしていた上野惣社の巫女が神懸り、小次郎に帝の位を授けると告げる。しかし小次郎は、それがこの娘の、心中深くに抱いている願いなのだと分かっていた。そして変わらず神は神、俺は俺だと考えていた。

 

第四十九回「大進発」


小次郎は、下総石井への帰路をたどっていた。土地々々で、喝采を浴びてきた小次郎たちであったが、石井の周りだけは妙に静まりかえっている。“帝”との宣託を受けた小次郎の権威を示すため、興世王が民人たちにひれ伏して待つように指示していたのである。田原藤太の元にも小次郎の八か国統一と、人々が小次郎を帝様と呼んでいるとの情報が届く。藤太は、小次郎が巧みに権威を高めつつあると思った。その小次郎の背景に有るものを見極めようと、年が明けたら直ぐにも小次郎に会おうと決めた。

 

第五十回「藤太と将門」


藤太が石井の館へやってきた。一刻ほど待たされたのち藤太は正装の興世王と対面した。そして小次郎の権威を引き上げようとしているのは小次郎自身ではなく、この男であると気付いた。小次郎の帰宅後、藤太は二十年余りも昔、下野国府の前で出会った童が小次郎であることを知る。そして自分の過去を話して聞かせた。話をするうちに、藤太は小次郎を正直な男だと思った。しかし同時に、やがて来るであろう中央権力との対決にこの男は勝ち抜けるのかと疑問を感じていた。

 

第五十一回「激闘」


太郎が藤太の館へやってきた。公の征夷大将軍が坂東へやって来る前に、常陸守であった藤原惟幾、その子・為憲と共に、将門を討とうという誘いであった。藤太は熟慮の末、小次郎を討つための軍四千を集めるよう命じた。藤太の動きを察知した小次郎は、こちらから攻め入ることが勝利の道と考え、兵が集まるのを待たず一千の兵で出陣した。しかし後詰の軍の勝手な行動で、小次郎は半数近くの兵を失う。退却を余儀なくされた小次郎であったが、彼の胸にはまだ勝利の自信が満ち満ちていた。

 

最終回「久遠の虹」


民人たちの小次郎への加勢を恐れた藤太勢は、村々の周りに見張りの兵を配置した。小次郎は兵を補給できず、手勢がわずか五百となりながらも、追い風を味方に優勢な戦いを続けた。しかし風向きが変わった一瞬を狙い、田原勢が反撃。一筋の矢が小次郎のこめかみを突き刺し、小次郎は絶命した。小次郎将門討死の知らせは、朝廷打倒の途についてた純友の許へも届いた。自分たちだけでは都を制圧できないと判断した純友は再びの決起を誓い、撤退と言う苦渋の判断を海賊たちに命じた。