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Def Tech

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VA編集長:チェリーのつぶやき

ニューアルバム『24/7』を7月10日に発売したDef Techさん、VA登場です。前回ベストアルバムの取材をさせていただいた時は、季節はずれの大雪の日でした。そのことをShenさんに言うと「あ~!そうだったね!春なのに降っていたね」と思い出してくださった模様。

さてDef Techといえば、いつも撮影ではいろいろアイデアを出してくれます。今回も表紙のTSUTAYAの看板前での撮影の時に、「どんなポーズ撮る?」「TSUTAYA(のロゴを)支えてるふうにやってみようか」なんてたくさん案が出て、即チャレンジ。次々にいろんなポーズを決めてくれ、1枚たりとも同じポーズ、表情がありませんでした。すごい。

さらに、この日偶然お店にいたファンの方にも気さくにサイン。Microさんは、サインを書き直したりして、ファンの方を大切に思う気持ちが伝わってきました。

ところで、写真を見ればおわかりのように、2人ともすっごくスリムに…というか筋肉がつきつつ、でもきゅっと締まった感じがしませんか?撮影中もその話題で持ち切り。どうやら食事に気を遣っているそうです。これから始まるライヴで、さらに鍛えられてパワーアップですかね???

 

 

INTERVIEW

取材・文/HIDEKI TAKE 撮影/AKIRA OKIMURA(D-Cord) ヘアメイク/CHIHO FUSE

Def Tech、約2年ぶりのオリジナルアルバム『24/7』が7月10日にリリースされた。いつもいつでも楽しめる、私たちの毎日とともにある、そんなアルバムだ。このアルバムに込めた想いを2人に聞いた。

僕たちはハワイの人と日本を結ぶアンバサダー(大使)になりたいですね(Shen)

その音楽がどういう環境から生まれてきたか。そのアーテイストはどういう背景で作品を作っているのか。優れたポップミュージックが何らかの形でその時代を反映しているように、オリジナリティ溢れる人たちの作品には、そうした関連性もまた濃厚になってくる。

Shen:ハワイと日本は似ているところがすごくあるんです。日本の文化がハワイには昔から入ってますし、ハワイの人と話していて東京に住んでますというと目が輝く。日本の人と話すと逆で、ハワイに住んでると言うと良いねえということになる。僕たちはハワイの人と日本を結ぶアンバサダー(大使)になりたいですね。

Micro:アメリカの人たちもハワイの人たちも、まず東京を、日本を見ろと思うんです。銃がない社会でこれだけバランスが保たれている。前は、ハワイの音楽を日本に持ってこよう、世界に紹介しようという意識があったんですけど、今は、メイド・イン・ジャパンのアイランドミュージックを世界に返還してゆければという感じですね。ハワイの人たちも羨むような東京、東京の人たちが真っ先にハワイに行きたいと思える、そんなアルバムになったと思います。

7月10日に発売になったDef Techの新作アルバム『24/7』は、世界中で彼らにしか作れない決定版的アルバムになった。

心地良いアルバムだ。1曲目の「Anniversarry feat.SONPUB」から11曲目の「Summer Steppin’」まで清涼感溢れるハーモニーと最新のトラックが融合して生まれた風が吹き抜けていく。椰子の木と潮騒、アスファルトとビルの影、日の出から日の入り。どの曲にも今を生きる二人の365日の鼓動が刻まれている。

Micro:今回は、マスタリングを5回やったんですよ。4回失敗したことになりますね。ニューヨークでやっても納得出来なくて、最終的に僕の家のリビングスタジオでやったものになりました。家マスタリング(笑)。どんなにクラシックなものでも聴感上、今の音に聞こえないといけない。けんけんがくがくでしたね。

Shen:今までで一番苦労しましたね。満足しなかった。ハワイの感じはしてるけれど東京で作らないとDef Techは生まれてこない。ハワイだけだとツーマッチ・アイランドだし、ニューヨークだけだとツーマッチ・シテイ。絶妙なところに落とし込めたと思います。

アルバムらしいアルバムになった。1曲目から最後の曲までテーマも音像も関連性を持って繋がっている。聴き終えた曲の余韻が次の曲の序章になってめくるように流れていく。オープニングは、一年の風物詩が歌われている。お正月にお賽銭、お花見や七夕、Microは日本の歳時記のような風習を、Shenは英語でアメリカの風物詩を歌う。日本とアメリカ、それぞれの国の暮らしの中のアニバーサリー。デリケートに作り込まれた最新EDMのダンストラックには日本のお祭りのようなビートも取り込まれているDef Techのカレンダーソングだ。

Micro:曲順が決まるまでも大変でしたね。一曲でも順番が違うと聞こえ方も変わる。前の曲を打ち消してしまうんですね。ここまでこだわったのも初めてでしょう。

カレンダーがめくられて2曲目の「The Best Time」はまさに至福の時間だ。ウクレレとアコーステックギターのハーモニーに絡むさりげないトラック。女性ヴォーカルも加わったロマンティックなレゲエは住んでいる場所を越えて誘ってくれるアイランドマジックだ。

日本赤十字のCMにもなった3曲目の「Be The One」は、ガンジーの言葉「Be The Change」からShenがインスパイアされたことから生まれたという。一人一人が手を取り合って一つになる。Microの歌詞は恋愛感情を描いたラブソングとしても濃密だ。

人と人のつながり──。

4曲目からはそんなメッセージの具体化のような曲が並んでいる。去年の春に、横浜の赤煉瓦パークでの野外イベントで出会ったシンガー&ソングライター、Emi Meyerをフィーチャーした「The Key feat.Emi Meyer」は、これまでにはなかったノスタルジックなソウルテイストに溢れている。60年代のソウルミュージックとラップのコラボレーション。Def Techが加わったとたんに風が変わる。ジャワイアン・レゲエとアメリカン・ソウル。アメリカ人の父親と日本人の母親を持つ彼女もDef Techと出会うべくして出会った一人かもしれない。

Micro:去年からあった曲なんですけど、今回のアルバムの出会いがあったからこうなった曲でしょうね。3人のハーモニーも決まりましたし、僕らも虜になりました。

5曲目の「Just a Little Longer ft.Xavier Boyer of Tahiti 80」も、そうした出会いから生まれた曲だ。フランスの人気ポップロックバンド、Tahiti 80のメインヴォーカルでありソングライター、グザヴィエとのコラボレーション。つい口ずさみたくなるフレンチポップのようなコケテイッシュなスキャットリフもこれまでにはなかったポップさだろう。

Micro:彼らがたまたま日本でライヴをやってたんで実現したんですが、このバイブレーションは、Shenだけでは出なかったですね。こんな可愛らしい感じで女の子を誘ってる同級生の男子がいたらからかってたかも(笑)。大人になったから格好いいと思えるんでしょう。

自分たちの音楽を世界に紹介していくこのアルバムでそれが視野に入った(Micro)

30才を超えたから分かる事。6曲目の「Marathon」はそんな曲だ。ロックやダブ、クラシック、サーフソング、一曲の中にさまざまな要素が込められている。MicorとShenの掛け合いのスリル。マラソンが人生の縮図であるように一曲の中にDef Techが凝縮されている。

Micro:サッカーもバスケットもあるのに、マラソンのテーマってないよね、っていうところから始まりました。走ってる時に一番気持ち良いBPMを探しながら作りました。マラソンは人生の自問自答。そこを突き抜けた時に光が見えてくる。そんなふうに聴いてくれると嬉しい。

ハワイには世界で最もピースフルなマラソン、ホノルルマラソンがある。そんなことを想いながら聞いていると、何と、正真正銘、ハワイの風が吹いてきた。7曲目の「He’eia~Jawaiian Mix~feat.Makana」は、このアルバムのハイライトだろう。伝統的なハワイアンソングとヒップホップの合体。ハワイ出身の若手ギタリスト、Makanaとの共演。日本語と英語とハワイ語。最後に繰り返される“マラマ・カアイナ”という言葉は“島を守れ”という意味だそうだ。

Shen:今までハワイアンとコラボしているラップはないでしょう。風を感じてもらえるように音の隙間については気を遣ってます。

Micro:ウクレレとヒップホップ。ハワイアンだけど西洋の音楽としてどう着地すればいいか。ジャワイアンレゲエということでもこれがベースになっていくでしょうね。

サーフソングでありながら時代を討ちに行く。ゆるいだけのリゾートソングでも観光地BGMでもない。8曲目の「Flow」は、震災からまだあまり時が経っていないことを再認識させる。アメリカも日本もどこか間違ってないか。子ども達の明日を守っていけるのだろうか。

Micro:震災以降、いろんなことが残虐になってますよね。放射能の影響もあるんでしょうが、音楽を作る人も脅迫観念みたいに妙に尖ったものしかなくなってる。精神状態が普通な時には聴けないものが多くなってる。そういうアルバムではないです。

情報の波におぼれる僕ら。自分の存在価値を見失い落ち込む日々。それでも慰めてくれる人や優しさに和む瞬間もある。9曲目の「Uchiaketekure」のイントロの子どもの声はShenの娘なのだそうだ。子どもの笑顔が大人の気持ちを明るくする。それは世界どこの国でも変わることがない。

アルバムは佳境に入っている。10曲目はシングルになった「Bolero」だ。18世紀に誕生した民族音楽の傑作。この曲のドラムロールはRIZEの金子ノブアキだ。音楽で人を幸せにすることが出来るのか。世界を変えることが出来るのか。逃げようのない本質的な問いかけが迫ってくる。

フィナーレは夏の野外ライヴのイメージだろうか。砂浜で繰り広げられる激しく躍動的なパフォーマンス。抜けるような青空、太陽と海風の中で一斉に回されるタオルが見える。

2011年グラミー賞最優秀男性ポップヴォーカル賞を受賞、2年連続で6部門にノミネートされたのはMicorが「同じ所で同じラジオを聴いていた。僕たちにとっては神様みたいな存在」というハワイ出身のブルーノ・マーズだった。

Micro:自分たちの音楽を世界にどうやって紹介していけばいいのか、今までは漠然とでしたけど、このアルバムで視野に入った感じです。

日本は島だ。ハワイやジャマイカもそうであるように島だから生まれるグルーブやメロデイもあるのだと思う。

“太陽のもとに集い、~この瞬間をわかち合うんだ”

Shenは「Bolero」の中でそう歌っている。

わかち合うこと。それはハワイの“アロハ”という言葉に込められたものでもある。

東京発のアイランドミュージック。Def Techが、新しい波を起こそうとしている。

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