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第3号

富士山の麓で堪能した、上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト feat.アンソニー・ジャクソン&サイモン・フリップス

例年のことながら、あっという間に夏が過ぎ去っていきましたね。秋にもたくさん魅力的な音楽イベントがありますが、いわゆる“夏フェス・シーンズ”は一段落しました。筆者がその締めくくりとして参加したのが、スペースシャワーTVが、毎夏に山中湖交流プラザ「きらら」で開催している野外ライブ・イベント「SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2011」です。

富士山の麓という絶好のロケーションのなか、毎年スペシャのイベントならではといえる魅力的なバンド/アーティストがラインナップされるこのイベント。今年は8月27と28日に開催され、初日のトリを活動再開後初のライブでありながら、見事なファンク・エンターテイメント・ショウを見せつけた岡村靖幸が、2日目のトリを震災後の日本に、ふるさとの福島に向けて、愛と平和のロックンロールを全身全霊で捧げたサンボマスターが務めました。

個人的なベスト・アクトは、2日目に出演した上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト feat.アンソニー・ジャクソン&サイモン・フリップス。今春に『スタンリー・クラーク・バンド・フィーチャリング 上原ひろみ』で、第53回グラミー賞を受賞したことも記憶に新しい上原ひろみ。そして、上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト feat.アンソニー・ジャクソン&サイモン・フリップス名義で3月にリリースした『ヴォイス』は、彼女の最高傑作との呼び声高く、この日のステージもまた実に雄大な富士をバックに、すばらしいパフォーマンスを披露してくれました。その場の空気にヴィヴィッドな色をつけながら、親密な会話を交わすようにセッションを繰り広げたピアノ・トリオは、ジャズというカテゴリーさえも超越する魅力に満ちていました。“健やかな狂気”を振りまく妖精のように、ピアノと向き合う上原ひろみの姿が、いまも鮮明に脳裏で躍動しています。現在、彼女たちは全国ツアー中。ぜひスケジュールをチェックしてみてください。

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【ライター紹介】
三宅 正一~取材にライブに子育てに。音楽を中心にせわしない日々を送るフリーライター~
1978年生まれ、東京都出身。雑誌「SWITCH」、「EYESCREAM」の編集を経て、2005年にフリーライターとしての活動を開始。音楽を中心に、カルチャー全般の執筆を手がけている。