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第7号

BUMP OF CHICKENのニュー・シングル「ゼロ」について

今回は新譜の紹介を。10月19日にBUMP OF CHICKENのニュー・シングル「ゼロ」がリリースされました。
昨年12月にリリースした6thアルバム『COSMONAUT』以降、2011年に入ってからもBUMP OF CHICKENは引き続き楽曲制作の日々を送り、コンスタントにシングルを発表しています。

2月には長編アニメ『映画ドラえもん新・のび太と鉄人兵団~はばたけ天使たち~』の主題歌「友達の唄」。
5月には東日本大震災を受けて制作し、漫画家・井上雄彦とのコラボレーションとともにSoftbankの復興支援ポータルサイトCMに起用されたチャリティー・シングル「Smile」。
そして、ニュー・シングル「ゼロ」もまた特別な作品との邂逅によって誕生しました。
「ゼロ」は、メンバーも大ファンだという国民的RPG"FINAL FANTASY"シリーズの最新作『FINAL FANTASY 零式』の主題歌として書き下ろされた楽曲です。
先日、彼らにインタビューしたのですが、メンバーは口をそろえて"『FINAL FANTASY』の主題歌を手がけるのはバンドにとって夢そのものだった"と語っていました。

相変わらずの緻密さをもって築き上げられた荘厳なムードをたたえたサウンドに描かれているのは、生命と生命の交わりとその終わりを深遠な筆致で焼きつける、魂の歌。
それはリスナーに『零式』の世界観の核心を想起させながら、その実やはりどこまでもBUMP OF CHICKENの真髄が響く楽曲として迫ってきます。

また、期間限定盤、通常盤ともにM2にはバンド・サウンドにリアレンジした「Smile」を収録。
オリジナルは藤原基央の弾き語りによるテイクで、ひとつのメロディを繰り返すミニマルな歌が、切実な祈りとしての訴求力を増していく様子が生々しく収められていました。
このバンド・バージョンでは、静謐な序盤を経て、バンド・インのタイミングで一気にダイナミックな生気が放出され、アウトロが鳴り終わるまでサウンドの熱量が高まり続ける、BUMP OF CHICKENというロック・バンドの生々しい肉体性が剥き出しになっています。

さらに、期間限定盤のM3には「ゼロ"FINAL FANTASY 零式"オープニングver.」が収録され、ジャケットを彩るのは天野喜孝による『零式』用イラストを本作のためにリメイクしたもの。
同梱されるDVDにはここでしか観られないSQUARE ENIX制作によるスペシャルMVを2本収録。BUMP OF CHICKENと『零式』の濃密なコラボレーションが、全方位で果たされています。

そして、BUMP OF CHICKENは12月5日から実に約3年半ぶりとなる全国ツアー「GOOD GLIDER TOUR」をスタートさせます。
『COSMONAUT』以降の楽曲がどのように体現されるのか。いまからとても楽しみです。

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【ライター紹介】
三宅 正一~取材にライブに子育てに。音楽を中心にせわしない日々を送るフリーライター~
1978年生まれ、東京都出身。雑誌「SWITCH」、「EYESCREAM」の編集を経て、2005年にフリーライターとしての活動を開始。音楽を中心に、カルチャー全般の執筆を手がけている。