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第11号

KREVA、SEEDA、HirOshimaが中心となって制作されたチャリティー・シングル「HOPE」について

12月14日に「HOPE」という東日本大震災の復興支援を目的にしたチャリティー・シングルがリリースされます。
この曲が誕生するきっかけになったのは、ニューヨーク在住の日系人音楽プロデューサーであるHirOshimaが起こしたアクションでした。
HirOshimaはBastianyとのプロデューサー・ユニット:MAJOR MUSIC名義で、KREVAやSEEDAの最新作にも参加しています。
現地の報道で東日本大震災の甚大な被害状況を知ったHirOshimaは、ひとつのトラックを制作し、それを手に3月13日に来日。まずは被災者の一時避難施設となっていた、さいたまスーパーアリーナへ行き衣類などの物資を届け、炊き出しボランティアに参加しました。

その後、HirOshimaはSEEDAとともにKREVAのもとを訪れます。ニューヨークから持参したトラックをチャリティ・ソングとして着地させるためにKREVAに協力を仰いだのです。
KREVAは即快諾。その時点でトラックには「HOPE」というタイトルがつけられていたそうです。そこからHirOshima、KREVA、SEEDAの3人が中心となって、すぐに「HOPE」の完成に向けて動き出しました。
HirOshimaがChe'NellとKaribelに。KREVAが後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、Mummy-D&宇多丸(RHYMESTER)、三浦大知に。SEEDAがlecca、KOJOE、EMI MARIA、そして仙台在住のラッパー:TENZANに声をかけ、総勢11人のアーティストが集いました。

楽曲は3バージョン制作されました。M1は"All Cast"。M2は"KREVAチーム"。M3は"SEEDAチーム"。
当初は夏にリリースする動きもありましたが、様々な状況をかんがみて、クリスマス・シーズンを見据えてリスナーのもとへ届けられることになりました。
イントロからタフな共鳴を促すように響くトライバル・ビートに、静寂に包まれた夜明けから力強い日の出が導かれていく風情を想起させる重層的なシンセサイザーとピアノのハーモニー。
そこに、曇りのない優しさと、美しさと、力強さを兼ね備えたこのトラックに、11人のラッパー/シンガーによる切実なメッセージがつながれていきます。
"All Cast"のラスト・バースはTENZANが担っています。被災地で生活している者だからこそ体現できるラップが、否応なしに胸に迫ってきます。「HOPE」がひとりでも多くの人に届きますように。筆者も心からそう願っています。

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【ライター紹介】
三宅 正一~取材にライブに子育てに。音楽を中心にせわしない日々を送るフリーライター~
1978年生まれ、東京都出身。雑誌「SWITCH」、「EYESCREAM」の編集を経て、2005年にフリーライターとしての活動を開始。音楽を中心に、カルチャー全般の執筆を手がけている。