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第17号

2012年の要注目バンド、赤い公園メジャー・デビュー

みなさん、新年あけましておめでとうございます。昨年は東日本大震災をはじめ、国内外の情勢を見ても、大きな悲しみや混乱に満ちた激動の年でした。まだまだ終わりの見えない震災復興を含めて、忘れてはならないこと、続けなければならないことをあらためて心に留めながら、みなさんにとって2012年がすばらしい1年であるように心より願っております。今年もよろしくお願いします。

新年最初のコラムということもあり、個人的に2012年もっとも期待している新人バンドを紹介したいと思います。その名も、赤い公園。2010年1月に東京の立川で結成された、佐藤千明(Vo./Key.)、津野米咲(Gt./Cho.)、藤本ひかり(Ba.)、歌川菜穂(Drs./Cho.)から成る19歳とハタチの4人組ロック・バンドです。結成当初からライヴハウス・シーンでジワジワと注目を集め、来月2月15日にメジャー・デビュー盤となるミニ・アルバム『透明なのか黒なのか』をリリースします。筆者は、本作にも収録されている「透明」という曲のデモ音源を聴いて一発で惚れ込んでしまい、その後幾度か彼女たちのライヴを観て、衝撃が確信に変わっていきました。赤い公園が、まったく新しいロック・バンドの風景を見せてくれると。このバンドは、世代や時代の枠組みで語ることはできない。そう思っています。

まず、ギターの津野が創造する楽曲が実に興味深い。構成、コードの動き、歌メロの当て方。五感をフル活用し、そこから導かれた言葉をヒントとして投げ、リスナーのイマジネーションをもって像を結ばせる歌詞。ひとつとして同じタイプの楽曲がありません。そして、その楽曲を轟かし、突き刺す、奔放かつスリリングな4人のプレイヤビリティ。すべてがあらゆるセオリーから解き放たれています。ライヴで彼女たちは全員白い衣装を身にまとっているのですが、ステージ上で轟音をふわりと放ちながら、とらわれなき感性をもってオルタナのはるか先まで飛び越えてしまったサウンドを体現し、誰の足跡もついていないポップ・ミュージックの地平を見せてくれます。昨年10月に行ったカナダツアーを経て、ライヴ・パフォーマンスにおいても、制作においても、バンドの成長と進化の速度はさらに加速しています。

まずは彼女たちのエモーショナル面が押し出された『透明なのか黒なのか』にぜひ触れてみてください。飛べます。間違いなく、ぶっ飛べます。

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【ライター紹介】
三宅 正一~取材にライブに子育てに。音楽を中心にせわしない日々を送るフリーライター~
1978年生まれ、東京都出身。雑誌「SWITCH」、「EYESCREAM」の編集を経て、2005年にフリーライターとしての活動を開始。音楽を中心に、カルチャー全般の執筆を手がけている。