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第25号

ロック・ファンが誇るべきメジャー・レーベルの祭典「EMI ROCKS 2012」に行ってきました。

2010年11月にEMIミュージック・ジャパン(以下EMI)の設立50周年を記念して初開催し、大きな反響を呼んだ「EMI ROCKS」。あれから1年3ヶ月を経て、前回と同じくさいたまスーパーアリーナで第2回目となる「EMI ROCKS 2012」が開催されました。
初開催時にも心底感じましたが、EMIミュージック・ジャパンというひとつのレーベルが、ここまで芯の通ったロック・イベントを開催できることが本当に意義深いです。そして、第2回となる今回もステージを彩った各アーティストの独創的な音楽性とパフォーマンスが、レーベルの哲学と矜持(きょうじ)を感動的なまでに形象化していました。今回ステージに立ったのは、オープニングアクトを務めたRiceball、Base Ball Bear、赤い公園、The SALOVERS、清竜人、雅-MIYAVI-、the telephones、James Iha、東京事変、DJ:片平実、ストレイテナー、ACIDMAN、9mm Parabellum Bullet、吉井和哉×9mm Parabellum Bulletの全14組。

 

雅-MIYAVI-はスペシャル・ゲストにH ZETT MとKREVAを迎え、攻め続ける姿勢と完全無欠のロック・スターぶりを見せつけました。
この日唯一の海外アーティストである元スマッシング・パンプキンズのジェームス・イハは、静謐(せいひつ)なグッド・ソング群をアコースティックで紡ぎ、美しきサウンドスケープで会場を満たしました。解散前の最後のイベント出演となった東京事変は、全8曲でバンドの集大成と今もなお更新し続ける比類なきエンターテイメント・ショーを見せ、ライヴ後の会場は名残惜しさと多幸感が入り交じった独特のムードに包まれました。
トリを飾ったのは、この日限りのユニットを結成した吉井和哉×9mm Parabellum Bullet。吉井が9mmの、菅原が吉井の楽曲を唄うサプライズだけにはとどまらず、BOOWYのメドレーも披露するという何もかもが特別な瞬間がステージに刻まれていました。

 

そして、アンコールではこの日出演したアーティストがふたたび集結し、9mmの演奏をバックに、EMIの象徴であり続けるザ・ビートルズの「All You Need is Love」をセッション。オーディエンスの大きな拍手とともに9時間に及ぶイベントは幕を閉じました。
the telephonesの石毛輝はMCで「僕はメジャー・レーベルがこんなにいいところだとは思っていなかったです。ありがとう、EMI!」と叫んでいましたが、そう、ロック・ファンが誇るべきメジャー・レーベルがここにあります。EMIの哲学と矜持(きょうじ)の火を消してならないと、この日ステージに立ったアーティストたちは思いを新たにしただろうし、筆者もロックを愛するひとりのリスナーとして強くそう思った次第です。3回目の開催を今から心待ちにしています。

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【ライター紹介】
三宅 正一~取材にライブに子育てに。音楽を中心にせわしない日々を送るフリーライター~
1978年生まれ、東京都出身。雑誌「SWITCH」、「EYESCREAM」の編集を経て、2005年にフリーライターとしての活動を開始。音楽を中心に、カルチャー全般の執筆を手がけている。