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第37号

ロックの未来を牽引する騎手となったONE OK ROCK
彼らの記念碑的LIVE DVD&Blu-rayが到着

2012年1月21日・22日、横浜アリーナ。それは、ONE OK ROCKが日本のロック・シーンの未来を背負って立つバンドになったことを決定付けた、記念碑的なライヴだった。このLIVE DVD & Blu-ray「“残響リファレンス”TOUR in YOKOHAMA ARENA」には、すべての瞬間がハイライトだったライヴの模様が記録されている。
昨年10月にリリースされた5thアルバム「残響リファレンス」は、ONE OK ROCK史上最高のスケール感を宿した作品だった。静と動のコントラストをどこまでもエモーショナルに際立たせながら、忘れがたい旋律に彩られたサビに向かっていくONE OK ROCKの王道をいく曲も、説得力が増したグルーヴをもって獰猛なヘヴィネスを転がしていく曲も、繊細な演奏で静謐なメロディを紡ぐ曲も、そして、かつてないほど開放的なポップネスを放出している曲も―狭小なライヴハウスからアリーナクラスの会場、いやもっと言えばスタジアムでも高らかに響き渡る―そう確信させた、掛け値なしの最高傑作。そんな「残響リファレンス」の真髄が体現されたのが、昨年11月4日にZepp Nagoyaから全国を廻った「ONE OK ROCK 2011-2012“残響リファレンス”TOUR」であり、その集大成がツアー・ラストを飾る横浜アリーナ2DAYSだった。
新時代のロック・ヒーローに格別の期待感を込めたオーディエンスの熱狂的な歓声。ステージに立つ4人は、横浜アリーナに充満する咆哮と熱気を真っ向から受け止めた。オープニング・ナンバー「LOST AND FOUND」から、ONE OK ROCKというロック・バンドの絶対に折れない精神と哲学をトップギアでその場に刻みつけ、掲げ、放出するようなパフォーマンスを見せていった。
4人が響かせる轟音と旋律はオーディエンスを止めどなく触発し、オーディエンスの高まり続ける熱量がまた4人の音楽力を研ぎ澄ませ、そこにアリーナならではのダイナミックな演出が加わり、ライヴ全体の凄みがどんどん増していく。生のストリングスを迎えた「エトセトラ」と「カラス」、Takaがピアノの弾き語りを見せる「Pierce」、メロディアスなグッド・ソングが極まる「C.h.a.o.s.m.y.t.h.」へと繋がれていくバラード・セクションにもぜひ注目してほしい。

 

さらに、5月10日―つまり、デビュー20周年記念日に11年ぶりのベスト・アルバム『Mr.Children 2001‐2005<micro>』と『Mr.Children 2005‐2010<macro>』がリリースされた。アルバムでいうと、『IT’S A WONDERFUL WORLD』、『シフクノオト』、『I LOVE U』、『HOME』、『SUPERMARKET FANTASY』、『SENSE』の6枚から2枚のベスト・アルバムは構成されている。
本作に触れて痛感するのは、Mr.Childrenの楽曲こそが、誰よりも市井に生きる人の営みを体現してきたということだ。
あたりまえのことをあたりまえに捉え、目の前の現実と対峙し、疑問を抱き、日夜苦悶し、人を求め、答えなきものに手を伸ばそうとする。絶え間なくそうあり続けるタフネス。
Mr.Childrenの音楽には常にそんな“市井感”と作品ごとにダイレクトに時代の像を映し出し、躍動させるアクチュアルな“ポップネス”を宿している。
現に2001年から2010年に生まれた楽曲群が、2012年の現在もフレッシュな生気を放っている。そして、最新シングルと2枚のベスト・アルバムを引っ提げ、“ポップの恐竜”と化した彼らを体感できるのが、開催中の全国ドームツアー『Mr.Children Tour POPSAURUS 2012』である。

 

DISC2には、約2ヶ月間に及んだツアーの全公演に密着した、60分超のドキュメンタリー映像が収められている。これがまた、すばらしい。誰よりも至近距離で無防備なバンドの姿を捉えた、1本の独立したドキュメント・フィルムとしての完成度を誇っている。そこに映し出されているのは、ヤンチャに、情熱的に、そしてピュアに音楽を愛するTaka、Toru、Ryota、Tomoyaの4人=ONE OK ROCKの実像と友情だ。本編のライヴ映像と併せて、余すところなく目撃してほしい。

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【ライター紹介】
三宅 正一~取材にライブに子育てに。音楽を中心にせわしない日々を送るフリーライター~
1978年生まれ、東京都出身。雑誌「SWITCH」、「EYESCREAM」の編集を経て、2005年にフリーライターとしての活動を開始。音楽を中心に、カルチャー全般の執筆を手がけている。