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40号

映画連載【取材のウラ側!!】編~和製トム・ジョーンズ逝く―追悼尾崎紀世彦

さらば“和製トム・ジョーンズ”尾崎紀世彦!!~また逢う日まで~名曲をありがとう!!

去る5月31日(木)、日本を代表するヴォーカリストの尾崎紀世彦さんが亡くなりました。69歳でした。最初にファンになった時期は忘れましたが、その圧倒的な歌唱力に心奪われ、学生時代に神保町や蒲田でレコード盤を買い漁ったものです。また1人、昭和の偉人が逝ってしまいました。心よりご冥福をお祈りいたします。
代表曲の「また逢う日まで」以外にも数多く名曲を残され、出演作『星くず兄弟の伝説』(85)も名作なので観てほしいです。

純愛エンターテインメント『愛と誠』大野いと、「全然ヒマがない映画です!」と太鼓判!!

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まずご紹介する作品は、梶原一騎・ながやす巧原作による伝説のコミックを、天才監督・三池崇史が完全実写化した『愛と誠』だ! 登場人物全員の純愛が暴走する究極の純愛エンターテインメントで、燃え上がる熱い青春のエネルギーに圧倒される痛快作だぜ!
主人公の太賀誠(妻夫木聡)と心通わせる女子高生・高原由紀役の大野いとクンは、話題を集めたデビュー作『高校デビュー』(10)、「高校生レストラン」(11)に続いての現場だったそうで、三池組の「高いプロ意識に圧倒されました!」とまずは現場を回想。「全員でアイデアを出し合っていて、とにかくいい作品を作ることにこだわっていました。熱い気持ちが渦巻いていましたね(笑)」。なるほど、映画を観れば現場の熱気も伝わってくるというモノだ!


由紀役について最初は想像で役作りをしたそうで、「彼女の過去は暗く、すべてが憎い女の子。幸せそうな人を見ると憎たらしくなるようなイメージでした。」確かに由紀の威圧感は凄まじい。劇中でどういう役割を果たすかは本編で確認を。誠と早乙女愛(武井咲)の運命の再会から始まる“運命の恋”を軸に、個性的な登場人物たち全員が暴走する超絶純愛エンターテインメント『愛と誠』。
いとクンも「本気で面白いと思いました!」と太鼓判を押すが、その理由は「観ていて暇がない映画(笑)」だと思ったから! 「つまらないということは絶対にないので観てください!」とお願いされたら観るしかないな!


カネに無欲なナイスな老夫婦が人生を教授『ハーブ&ドロシー』佐々木芽生監督に聞く!!

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映画で人生を見つめ直すことはよくあるけれど、それがドキュメンタリーの場合、ガチだけに衝撃が大きいよね! 『ハーブ&ドロシー アートの森の小さな巨人』はまさしく人生観が劇的に変わる人は変わる名作で、来日中だった佐々木芽生監督にお話を聞きました。
「予想以上に日本でも多くの人に観ていただけました」と語る佐々木監督は、現代アートのコレクションをする郵便局員ハーブと図書館司書ドロシーという実在の夫婦に惹かれた理由をこう明かす。「公務員のハーブ&ドロシーがささやかな収入で、あれだけの世界的なコレクションを築いた事実も魅力的ですが、最高に素晴らしいことは一点も売らなかったことです。売れば莫大なお金になるけれども、すべてアメリカ国立美術館に寄付してしまった。その無欲な姿に惹かれました。」


すなわち、ナイスな老夫婦のイキザマが深い感動を呼び起こすと同時に、そこにはステキな人生訓もあるというわけ!「彼らはたまたまアートコレクターでしたが、この映画はアートを集めましょうという作品ではなくて、人が持っている情熱に着目しています。わたしたちが幸せになる、人生を豊かにするものはお金や地位ではなくて、本当に自分が好きなものを情熱的に追求していくということ。それが本当に生きていることの幸せだと思います。その生きかたを問いたかった」と微笑む佐々木監督。でも、熱中できることがあるだけいいですよ。今秋、続編が全米で公開予定です。


世界標準の映画を『ドラゴンエイジ -ブラッドメイジの聖戦-』曽利文彦監督が吠えた!!

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さて最後にご紹介する作品は、現在好評回転中&絶賛発売中の『ドラゴンエイジ –ブラッドメイジの聖戦-』!全世界で600万本を売り上げたメガゲームの完全映画化で、栗山千明演じる豪快で美しい女騎士カサンドラの冒険を描く長編アニメーションだ。米国製作映画のメガホンを握った曽利文彦監督は当然のことながら世界市場を念頭に制作を始めたそうで、そのコダワリが“口”だ!「オリジナル版のセリフはすべて英語なので、日本版は言ってみれば洋画の日本語吹替え版。
つまり、アメリカ市場向けに口の動きをすべて英語に合わせたので、たとえばピクサーの映画を日本語で観ていることと同じということで(笑)」って、スゴくないか!? この気の遠くなるような作業をあえて選択した理由がごもっともで、「海外市場を考えた時に邦画を観る層はマニア的な人たちで、エンターテインメント作品として観る人たちは少ない。今後邦画を受け入れてもらうための準備ですね(笑)」と世界市場における日本映画のステイタスを上げるためなのだ!


「今回の作品もそうでしたが、日本の中だけでドメスティックに作っているだけでは多くの人に観てほしくてもマーケットが広がっていかないと思うので、グローバルな思考で進まないといけないです」と世界を相手にする重要性を説く曽利監督。「予算も考え、より刺激的で高級なモノを作って行かないと国内だけでは限界も感じますね。」これは観る側にとっても課題ですな。世界が振り向く映画を応援しようぜ!


確か500円くらいで買ったipod nanoのパチモンが壊れたので、いよいよ本物を購入! OSTでは『ミッドナイト・ラン』(88)、『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』(97)、ジョージ・ハリスンでは「クラウド・ナイン」(87)、そして尾崎紀世彦では「メモリーズ・オブ・サマー・ラブ」(87)をヘビロテ! 一度好きになった音楽って、聴かなくなることはないね!

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【ライター紹介】鴇田 崇~年間で延べ250人のインタビューを敢行する映画ライター~
1974年生。国内最大級のアクセスを誇る総合映画情報サイト「映画生活(現:ぴあ映画生活)」の初代編集長職を経て、現在はフリーのライターに。
超得意なジャンルがない変わりに苦手なジャンルもないが、得意“技”はインタビューで、年間延べ250人ほどの来日ゲスト、俳優、監督への取材を行い、相手のホンネを引き出す雑談のような語り口と雰囲気作りは一部の関係者に定評がある。 好きな言葉は「いつか皆死ぬ」。嫌いな言葉は「着地点」。
史上もっともアガッたインタビューは、あのM・ナイト・シャマラン監督に「キミの体からは気が出ている!」とホメられたこと。
主な出演作として故・水野晴郎氏がライフワークとしていた反戦シリーズの『シベリア超特急5』(’05)(本人役、“大滝功”名義でクレジット)、『トランスフォーマー/リベンジ』(’09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。