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第43号

これが、SEKAI NO OWARIが描く“ど真ん中”のポップネス
2ndアルバム『Entertainment』完成!

彼らの楽曲と存在が賛否両論を巻き起こすのは、至極当然だと思う。一度聞いたら忘れられないバンド名。ドラマーとベーシストの代わりにDJ LOVEというピエロがいるという楽器編成。メンバーの手でイチから築き上げたライヴハウス“club earth”で寝食をともにしながら楽曲制作を行っていたバンド・ストーリー。この世界の有り様とそこに木霊する“生命の声明”を暴き、鮮烈なコントラストをつけるようにそれをどこまでもポップに解き放つ楽曲の訴求力。すべてが独特の過剰さに満ちている。その過剰さはある人にとってはとても眩しく映り、ある人にとってはかなり煙たく感じるだろう。彼らの希有な魅力とは、そういったことも踏まえてなお徹底的に“真ん中”に立とうとするアティチュードだ―。

 

2010年4月、『EARTH』というアルバム1枚で一躍大きな注目を集めることになったSEKAI NO OWARIという異質のロック・バンドは、端から見れば驚くべきスピードで、しかし本人たちからすれば必然だけを積み重ねた結果、今やポップ・ミュージックのまったく新しい風景を生み出す存在となった。SEKAI NO OWARIのファースト・インパクトから2年3ヵ月。『EARTH』以降に発表されたすべての楽曲と、イントロを含む7つの新曲=全16曲のフルヴォリュームで構成したセカンド・アルバムが完成した。そこには『Entertainment』というタイトルが冠されている。ファンタジーの方法論を手に入れ、ポップの強度を増した彼らの音楽は、これまで以上にあらゆる概念や事象や場所の“真ん中”に立とうとしている。

 

ロックとポップ、リアルとファンタジー、生と死、正義と悪、戦争と平和、自由と不自由、賞賛と誹謗―。彼らは常に二律背反の概念や事象の両方に目をやり、鮮烈な方法論で“真ん中”を示す。本作は彼らがそのファイティングポーズを研ぎ澄ませてきた2年3ヵ月の軌跡だ。そこに『Entertainment』と名づけるSEKAI NO OWARIは、なんてファンタジックでラジカルなバンドなのだろうと、僕は思うのである。

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【ライター紹介】
三宅 正一~取材にライブに子育てに。音楽を中心にせわしない日々を送るフリーライター~
1978年生まれ、東京都出身。雑誌「SWITCH」、「EYESCREAM」の編集を経て、2005年にフリーライターとしての活動を開始。音楽を中心に、カルチャー全般の執筆を手がけている。