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第47号

テーマは“光の三原色”
音楽の光を求め続けるandropの最新型が、ここにある

andropにとってのパッケージとは、バンドの哲学を形象化するためのものであり、その手段を選ぶときには明確な必然性を要する。多様化するリスニング環境のなかで、今ではリリースする意味を見いだしづらくなってしまったシングルCDにおいてもそうだ。今年2月にリリースした1stシングル「World.Words.Lights./You」は、もともとひとつだった楽曲が分岐し、サウンドのアプローチやメッセージの視点的に両極であり表裏一体の2曲が生まれたという物語があったからこそ、ダブルAサイドシングルという形態で世に送り出された。それに続くこのトリプルAサイド2ndシングル「Boohoo/AM0:40/Waltz」には“光の三原色”(すべての光色は、赤、青、緑の組み合わせから作ることができる法則)というテーマのもとに最新のandropが立体的に映し出されている。

 

扇動的なスラップ・ベースから幕を開けるM1「Boohoo」は——明滅する光を乱反射させるように——緩急のコントラストがドラスティックにつけられたミクスチャー・サウンドが鳴り響く、3曲のなかでもっともアグレッシヴな楽曲だ。鮮やかなサウンドスケープで時間軸を駆け抜けるギター・ロックM2「AM0:40」は、夜空に瞬く流星にまつわるいつかの“約束”と今ここで強く求める“未来”を描いている。まるで童謡のような優しくあたたかい感触に包まれたグッド・ソングM3「Waltz」は、内澤のエヴァーグリーンな音楽的な原風景が広がっている。

 

赤、青、緑。3色の光が重なると、中心に浮かび上がるのは、白だ。音楽の光を求め続けるandropの最新型が、ここにある。

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【ライター紹介】
三宅 正一~取材にライブに子育てに。音楽を中心にせわしない日々を送るフリーライター~
1978年生まれ、東京都出身。雑誌「SWITCH」、「EYESCREAM」の編集を経て、2005年にフリーライターとしての活動を開始。音楽を中心に、カルチャー全般の執筆を手がけている。