山下達郎 (前篇)

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デビュー35周年  レーベルの垣根を超えたオールタイム・ベスト・アルバムをリリース!

Profile

やましたたつろう●1975年シュガー・ベイブとしてデビューし、翌1976年にアルバム『CIRCUS TOWN』でソロデビュー。デビュー35周年を迎えた昨年は、11月から今年5月にかけて、全国ツアー“PERFORMANCE 2011-2012”を開催し、各地に歌を届けた。9月2日に山梨県・山中湖交流プラザきららで開催された夏フェス“SPACE SHOWER SWEET LOVE SHOWER 2012”に出演。サプライズゲストに竹内まりやを迎え、大盛況となった。また、夏には全国11の映画館で“山下達郎シアター・ライヴ PERFORMANCE 1984-2012”を上映。好評につき、9月15日から1週間の追加上映を実施中。

|OFFICIAL WEB SITE|http://www.tatsuro.co.jp

デビュー35周年を迎えた山下達郎が、ソロデビュー前のシュガー・ベイブ時代から今日までの楽曲のなかからセレクトした3枚組ベストアルバムをリリース。本作のことから現在の心境までをインタビューした。

還暦を目の前にして自分が今何を歌うかっていうのは非常に大事

35周年、おめでとうございます。今回は初のALL TIME BESTということですが、まず今回の選曲のポイントをお聞かせください。

完全に自分の趣味(笑)。といってもベストですから、シングルセレクションが中心になってます。とにかく37年分ですから、シングルだけでもすでにオーバーフローするんですよ。1枚目は基本的にナイアガラ・レーベルとRCAのカタログで、2枚目と3枚目がMOONとWARNERになってます。

どうしてこのタイミングだったんですか?

パッケージがちゃんと、バックオーダー(追加発注)が取れるうちにベストを出しておきたかったんです。僕、紙ジャケはイヤなんですよ。基本的に売り切りだから。きちんとバックオーダーの体制が営業的に持続してる段階で出しておきたかったというのが一番大きな理由ですね。でも本当はもう3年ぐらい早くやれたらよかったんですけど。古いカタログはマスターの劣化が激しいですからね。

今回はシュガー・ベイブの時代から最新作までの楽曲が収録されています。RCA時代は70年代のソウルミュージックやアメリカンポップスなどに影響を受けて制作された曲が多いと思いますが、MOON時代の後半はいかがですか?

典型的なシンガーソングライター時代ですよね。自分の心象というものを歌に託して歌っているというか。RCA時代は全くの下積みなので、そういう口幅ったいことは通用しなかったんですね。マーケットも小さかったし、僕も若かった。洋楽ファンがそのまま日本の洋楽テイストの音楽に移行していったっていう感じが色濃く出てます。だけど年を取るに連れて、たとえば結婚して子どもが産まれたり、音楽的・ビジネス的な山や谷を経験して、自分はどういうものをやっていくかというのをまじめに考えるようになるわけです。それがだいたい30過ぎ。そこから40代50代となっていくと普通はレコードの売り上げも下がってライヴの動員も落ちていくんだけど、僕は幸運なことに、ライヴの動員なんかは30代の頃から変わってないので、そういうなかでどういうことをやるべきかなということを自分なりに考えていますよね。

なるほど。

僕の場合はテレビに出ないとかいろんなファクターがありますけど、大きくは年齢的なものと、思想と言ったらおこがましいけど、自分のなかの人生を見る目とかの変化ですね。若い頃は歌うことなんて何でもよかったけど(笑)、還暦を目の前にして自分が今は何を歌うかっていうのは非常に大事。年齢につれて歌の内容が変わっていくのはしょうがないことだと思ってます。

たしかに、今回昔の作品からずっと聴き直してきましたけど、『Ray Of Hope』ではかつての作品にはなかったメッセージ性のようなものも強くなってますよね。

僕がシュガー・ベイブを始めた頃はオイルショックの真っただなかで、超就職難の時代でした。そこから第二次オイルショックを経て、バブルがあって、リーマンショックなんかもあった。そうやって社会の変遷にも山や谷があるけど、自分のなかにも音楽の表現者としての山や谷があって、そういうのがいろいろとせめぎあうんですね。この年になったらもう、当たり前ですけど22~23歳の頃とは考え方も全く違う。そういうなかで自分は何を表現していくかっていうのは、自分の心の流れに従っていくしかないわけです。結局これを作りたいとかこれを作りたくないとかじゃなく、これしかできないって方向に段々流れていくというかね。

そういう変化でもあるわけですね。ではボーナスディスクについて聞かせてください。

この内容にした理由はいろいろありますが、一番はこれから先に出そうと思ってる作品のボーナストラックで使おうと思ってるものは入れたくなかったんですね。他のどこにも入れられないようなヤツを探そうと思って選んだのがこの6曲だったんです。1曲目の「硝子の少年」は、一度僕のラジオ番組でかけたことがあるんですよ。それが今はYouTubeなんかに上がっちゃって聴けるようになってしまってる。じゃあ、いっそのことボーナスディスクに入れてみようと。ボブ・ディランのオフィシャルブートみたいな感じで。「GUILTY」なんかはその当時のデモなんですよ。

バックトラックは一緒なんですか?

完全にオリジナルカラオケで歌ってます。「硝子の少年」なんかは、歌だけ抽出してきてオリジナルトラックに乗っけてるんですよね。厳密なデモじゃないかもしれないけど、その当時歌った歌ではあります。それをオリジナルカラオケに乗っけるっていう、一種のシャレみたいなものですね(笑)。

「希望という名の光」はアコースティックバージョンが収録されてますね。

あれは、東日本大震災からちょうど1年、今年の3月11日の14時46分がちょうど僕のレギュラー番組の時間だったんですよ。

「サンデー・ソングブック」ですね。

その日は大分のコンサートの日と重なっていたので、ラジオのプログラム用にあらたにアコースティックでスタジオで録って、それをオンエアしたものです。僕のプログラムを聴いてくれてる人には割とインパクトがあったものだと思うので、言ってみればこの曲がボーナスディスクのメインですね。

山下達郎 (後篇)はコチラ

INTERVIEW:SHINYA YOSHIZAKI(Culture Convinience Club)/HIROYUKI OKAWA(Culture Convinience Club) TEXT:KUNIKO YAMADA


Release

OPUS~ALL TIME BEST 1975-2012~⇒ お店で購入
⇒ ネットで購入

OPUS ~ALL TIME BEST 1975-2012~09.26 ON SALE / 10.13 RENTAL
ワーナーミュージック・ジャパン
初回限定盤(4CD):WPCL-11201~4 ¥3,980(税込)
通常盤(3CD):WPCL-11205~7 ¥3,980(税込) 豪華デジパック三方背BOX 仕様60P ブックレット付きP>

収録曲
[Disc 1] SUGAR BABE~RCA/AIR YEARS
01 DOWN TOWN 02 雨は手のひらにいっぱい 03 パレード 04 WINDY LADY 05 LOVE SPACE 06 SOLID SLIDER 07 PAPER DOLL 08 LET'S DANCE BABY 09 BOMBER 10 潮騒(THE WHISPERING SEA) 11 FUNKY FLUSHIN' 12 愛を描いて -LET'S KISS THE SUN- 13 RIDE ON TIME 14 SPARKLE 15 LOVELAND,ISLAND 16 あまく危険な香り 17 YOUR EYES

[Disc 2] MOON/WARNER YEARS I
01 悲しみのJODY(She Was Crying) 02 高気圧ガール 03 クリスマス・イブ 04 スプリンクラー 05 THE THEME FROM BIG WAVE 06 I LOVE YOU・・・・PartⅠ 07 風の回廊 08 土曜日の恋人 09 ゲット・バック・イン・ラブ 10 踊ろよ、フィッシュ 11 蒼氓 12 アトムの子 13 さよなら夏の日 14 ターナーの汽罐車 15 エンドレス・ゲーム 16 ジャングル・スウィング 17 おやすみ、ロージー -Angel Baby へのオマージュ-

[Disc 3] MOON/WARNER YEARS II
01 ヘロン 02 世界の果てまで 03 ドリーミング・ガール 04 ドーナツ・ソング 05 いつか晴れた日に 06 君の声に恋してる 07 2000 トンの雨[2003 NEW VOCAL REMIX] 08 忘れないで 09 FOREVER MINE 10 ずっと一緒さ 11 街物語 12 僕らの夏の夢 13 愛してるって言えなくたって 14 愛を教えて 15 希望という名の光

[Bonus Disc] ※初回限定盤のみ
01 硝子の少年(UNRELEASED DEMO VOCAL) 02 酔いしれてDéjà vu(UNRELEASED DEMO VOCAL) 03 GUILTY(UNRELEASED DEMO VOCAL) 04 EVERY NIGHT(2012 NEW REMASTER) 05 夜のシルエット(FIRST ON CD) 06 希望という名の光(2012 ACOUSTIC VERSION)

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