1stソロアルバム『オオカミ青年』がついに完成。今は“初期衝動”を大切にしたい

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2003年にデビューしたレミオロメンのフロントマンとして、ほとんどの楽曲のソングライティングを手掛け、「3月9日」「粉雪」など数々の名曲を世に送り出した。
今年2月1日、バンド活動の休止を発表。東日本大震災後、ひたすら音楽と向き合うことで生まれた「光をあつめて」でソロデビューし、夏にはフェスやイベントに出演。
ソロとして新たなスタートを切った。

|OFFICIAL WEB SITE|http://www.fujimakiryota.jp/|twitter| @Ryota_Fujimaki

『オオカミ青年』とはまた面白いタイトルをつけたものだ。
しかしこのタイトルこそ、今の藤巻亮太の心境を的確に表した言葉なのだろう。
彼は今、すべてに正直にありたいと思っているのである。

「自分のなかのそういう正直な気持ち…例えばバランスを取って、客観的に見たことを歌にするんじゃなくて、もう自分の主観だけで曲を書こうと思ったことが、こういうタイトルにさせました。
バランスを取る作業をまったくしなかったんですよ。
自分のなかには、オオカミな自分もヒツジの自分もいるので、今回はそれをそのまま出そうと思って」

だからこのアルバムは、手触りがゴツゴツしている。
あえてまとめようとせず、自分から出てきたものを、剥き出しのまま見せているのだ。

「自分のなかにある、言葉やメロディになる前の感情をすくいあげて、そのまま最低限のプロセスで形にしたんですよね。
今までそのプロセスが経験としてわかっていて、マニュアルになってたところがあるんですよ。
音楽を作るにはこうしなくちゃいけないんだ、って。
それを一度解体してみたら、ものすごく大切だと思っていたことがそうでもなかったり、今までサラッと流してたところに、実はめちゃくちゃ大事なものがあったり。
それに気づいたんです」

楽曲が生まれた時の、最初にあったテンションを大切にしたかったのだろう。
今まで多くの人に聴かれることを意識して、いろんなバランスを取って細かくアレンジを繰り返し、わかりやすさを形にしようとしてきたし、それが音楽だと思っていた。
しかしこのアルバムから聴こえてくる曲たちは明らかに違う。もっと手触りが生々しい。

「初期衝動がとても大事なんだ、ということに気づかされたんです。
今までのレコーディングのプロセスを繰り返していくと、楽曲のクオリティは上がっていくんだけど、最初に曲が出来た時に感じた驚きや喜び、悲しみみたいな感情が、どんどん薄れていく可能性がある。
今の僕にとってリアルなのは、そのファーストタッチの時の自分なんですよね。
いつからか、曲のクオリティを上げていくなかで、そこからこぼれ落ちていくもののほうが、気になり始めていたんです」

つまり、見えない何かにむけてもがくのではなく、ただ自分自身に向きあおうとしたのだ。
そうすると、バランスを取るのではなく、もっと自分自身の感覚に素直になっていく。そんな曲が並んだのがこのアルバムだ。

「今の僕は、それをとことん追求したいんです。過去を否定してるわけじゃないですよ。
そういうことにひとつひとつ目を向けてたら、きっとレミオロメンがブレイクしていく、あのスピード感は出なかったと思う。だけどそこで無視してきたもののなかに、大事なことがあることに気づいて。
だから2006年以降からは、ずっと悩んでいました。
何か忘れてるんじゃないかな、本当にこれでいいのかな、って。
だからブレイクしたことと、その後に訪れた苦悩で、僕のなかでは『プラスマイナスゼロだな』と思う気持ちが強くて」

だからこのソロアルバムは、彼にとって新たな始まりなのだ。
何もないところから、自分の心だけを信じて始めた、その第一歩になった。

「ですね。バンドのストーリーも大事だったし、3人でいろんなものを共有していったから、いろんな曲が生まれていったわけですけど、普通に生きてると、そこには組み込むことが出来ない藤巻亮太のストーリーがいっぱいあったんですよね。
『月食』や『twilight』のような楽曲が出てきた時、バンドとしてこの曲をどうしたらいいかわからなくて、すごく戸惑ったんです。
去年から、悩みながら自分の気持ちを整理してきたプロセスが、このアルバムになってますね」

自分を殺してでも協調性を大事にしたいヒツジの自分もいれば、なんと言われてもそれを貫きたいオオカミの自分もいる。
どちらが正しいとか、間違ってるかではなく、その2つが心のなかでせめぎ合ってる。
そのことを自分のなかに肯定できた時に、彼は腹をくくって、ソロに向かいあうことが出来たのだ。

「『オオカミ青年』という曲を作った頃からはっきりしましたね。
僕が今、見えてるものだけをとことん追求していきたいんですよ。自分の心の声だけを聴いて」

INTERVIEW & TEXT : HIROFUMI KANEMITSU(ONGAKU TO HITO)


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