これぞ隠れた名作! ★★★★★
投稿者:サム・ミイラ 2011-11-16
最初ごちゃごちゃしてどこかいらつく演出も、オーソン・ウェルズの計算なのです。会話も速く、たいがい二人同時に喋ってるので吹き替えが追い付かない(笑) カメラワークも斬新、展開が読めないストーリーも秀逸、見事な作品です。 ディートリッヒやガブールがゲストで出てるのもお楽しみ。

[ネタバレ]脚本・監督・出演で主役を喰っちまう人 ☆☆☆☆☆
投稿者:さっちゃん 2011年5月15日
ありゃ、この映画、公開年がレヴュアーの生まれた年ではないですか。改めて自分の年を実感してしまいました。そういえば本作に出演している主要なキャストも確か皆さん、鬼籍に入っておりますな。
まぁ、そういう個人的なことは措いといて、作品のレヴューとまいりましょう。冒頭の長回しは和田誠さんの「お楽しみはこれからだ」でご存知の方も多いと思いますが、やはり映像に凝るオーソン・ウェルズらしく他の場面でも印象的なショットが見られます。
特に本作の場合、夜の場面が多いこともあって光と影の効果がうまく使われているシーンが多かったように思います。例えばジョー・グランディ(エイキム・タミロフ)の甥がヴァルガス(チャ-ルトン・ヘストン)を襲うシーンでも襲撃者の影がヘストンの後ろから前へ回ることにより緊迫感を盛り上げています。
また、クライマックスのクインラン警部(オーソン・ウェルズ)がジョー・グランディを殺害するシーンでも灯りを消した部屋の中に外の灯りやネオンが差すことによって瞬間的にそれぞれの人物が浮かび上がる印象的な映像になっていました。
さらに主演のチャールトン・ヘストンを喰ってしまうオーソン・ウェルズの怪演も、この映画の見所でしょう。『第三の男』から10年くらいしか経っていないのに随分太って人相も変わっていると思ったのですが、多分、メイクにも凝ったんでしょうね。劇中、酒場の女主人ターニャ(マレーネ・ディートリッヒ)から「菓子をやめたら」と忠告される場面があ り、しょっちゅう何か甘いものを口にしているので、そういう設定なんでしょう。
原題のEVILは最初、クインラン警部のことかと思いましたが、途中で彼の複雑な経歴が分かってくると、クインラン警部にEVILが触れたという意味かと考えが変わりました。ラストのシュワルツ地方検事の皮肉な台詞もクインランが単純な悪徳警官ではないという…
オーソン・ウェルズとフィルム・ノワールの美女に酔いしれる ☆☆☆☆☆
投稿者:ykk1976 2011年5月15日
オーソン・ウェルズの監督作品を観るのは、初めてでした。
というか、この映画を知るまで、名を残した俳優であることは知っていましたが、
「市民ケーン」という代表作を持つ監督だということは知りませんでした。
大柄でありながら、まん丸いという表現がぴったりのおデブ様・・・というのが、
わたしのオーソン・ウェルズのイメージなんですが、その代表的なイメージは、
この映画から作られたようです。
彼を仰ぎ見るようなカット。クインランの横柄なキャラクターも、
よく表現されています。
フィルム・ノワールの映画と言えば、「LAコンフィデンシャル」で、
その定義も「暗いモノクロの犯罪映画、美女あり」という感覚しかない
映画知識の薄い私自身でも、この映画のカメラのカットっておもしろいと思いました。
映画冒頭は、映画史に残るようなすばらしさらしいですが、現代の映画を
見慣れている私には、逆にすごく新鮮でした。
それにしても、この時代の映画の美女たちの美しいこと。
ジャネット・リーもマレーネ・デートリッヒもお名前は存じ上げていますが、
出演作観るのは初めてでした。
一つ一つのカットが絵になるくらい、美しいんですね。
ジャネット・リーが際どい姿でベッドに横たわるシーンも、セクシーさよりも
静謐とした美しさを感じました。
わたしは女性でありながら、ため息が出ました。
オーソン・ウェルズによるオーソン・ウェルズの為の一本 ☆☆☆☆☆
投稿者:まりこ 2011年5月15日
この比較が妥当かどうかは別として、冒頭の長まわしの見事さにジョニー・トー監督の『ブレイキング・ニュース』を思い出しました。(映画通の方々には失笑されそうですが。)
時代背景は勿論、あちらは香港、真昼の下町、本作はアメリカ・メキシコ国境、夜の繁華街と全く状況は違いますが、どちらも雑踏、どちらも不穏な空気がぷんぷんします。
等身の目線から、足元の低さから、そしてカメラは浮力をもってぐんと高所から、蠢く人々と街を追いかけます。
一瞬たりとも目が離せない展開。
両者とも綿密に計画しリハーサルを繰り返し、これ以上ない完成度で一気に物語に引き込んでくれます。
とっかかりからいきなりのインパクト、あんまり素晴らしくて二度三度とリピートしてしまいました。
製作者サイドと監督オーソン・ウェルズの間には様々行き違いがあり、上映前に表明される文面には俳優も兼ねる監督の並々ならぬ想い入れが伺えます。
汚れ役を怪演、鬼気迫る熱演はチャールトン・ヘストンを喰い尽くし、正にこれはオーソン・ウェルズの映画と言えるでしょう。
でっぷりと醜く肥えたクインランの憎々しさは、そうそう忘れられるものではありません。
1958年製作とは思えないスピード感は現代作品を易々と凌駕してしまう。
(盗聴のくだりのもたもた感は仕方が無い、むしろ微笑ましくさえありますが。)
Wikipediaでは「公開当時は興行的にも批評的にも失敗したが、現在ではカルト映画としての地位を確立」と説明しています。
土地の有力者殺害を捜査する正義の警官(ヴァルガス)と悪徳警官(クインラン)の確執、その顛末。
正義はメキシコ人にあり、しかし真犯人を見破っている悪徳アメリカ人警官は目的の為には悪にも手を染める。
やはり世に出るのはちょっと早すぎたと言うべきか。
ヴァルガスの子供じみた正義より、清濁併せ呑み目的の為には手段を…
評価? ルールから外れた機械的字幕にgive up! ☆☆☆☆☆
投稿者:かづしげ 2011年5月15日
(ykk映画会の5月テーマ作品として鑑賞)
冒頭の長回し撮影はすげぇ! 手信号などでゴーストップを繰り返すオープンカーと歩き続けるカップル、途中でのやりとりなどを含め延々と続くワンカット撮影。広大なセットを組み、クレーンカメラをダイナミックかつスムーズに動かすには、緻密な計算とリハーサルの繰り返しが必要な筈。その労苦はいかばかりか。ここだけでも観る価値があるね。但し、このシーンにそんなものが必要だったかどうかは別問題。映画人オーソン・ウェルズのこだわりなんだろうね。
さて問題は本作がおもしろいかどうか……残念ながらそれ以前の問題があった。日本向けには日本語字幕が必要だが、このDVDには字幕の専門家が関与してないようだ。セリフを機械的に全て訳出して並べただけ。あるいは本作は映画関係者向けで、全セリフの書き出しは確信犯?
映像を見ながらこの字幕を読みつつ自然な流れに乗ることなど訓練しなければとても無理! 例えば三人が交互にしゃべるシーンで、字幕が3行位表示される。「ー」という記号が一つか二つ混じっていた。そのことには途中で気がついたが、三人分のセリフを-マークで区切ってるだけなんだな。これじゃ誰のセリフか分らないし、字が多過ぎてとてもついて行けない。このDVDを鑑賞することは苦行に等しい。映画は芸術である前に娯楽だと理解してる私にはとても辛抱できない。よって40分でリタイア。
(映画会の皆様へ
こちらから希望して半年位参加させていただきました。古い映画は素晴らしい所も多くありますが、同時に体質的に向かないものが多いと感じました。また課題作にも関わらず途中リタイアしてしまう者など本会の会員たる資格が無い 笑 よって勝手ながら今回を持って退会したいと思います。
本会は鑑賞レベルも高く、とても素晴らしい鑑賞会でした。協調的でよい雰囲気を壊しがちな異質分子の私ごときは、…
from the Orson, of the Orson, by the Orson. ☆☆☆☆☆
投稿者:ぴよさん 2011年5月15日
なにしろオーソン・ウェルズによる、オーソン・ウェルズの為の作品と言えるだろう。
自らをいかに「醜悪に」「人間臭く」撮るかという点に執着し、それに成功している。
おかげでヒーローのはずのチャールトン・ヘストンの存在感は、めっきり薄い。
ウェルズ扮する悪徳警部クインランは、自らの正義のみを追求し続け、それを正当化
する為に大きく逸脱をしてしまう。悪を裁きたいという思いが余って、悪人を作り出す
という過ちを犯してしまうのだ。(これは正義というものの陥りやすい“罠”)
醜く太った彼を映し出す時に限って、カメラは仰ぎ見るようにして、三角構図を作る。
肥満を誇張して見せるわけだが、同時に彼の絶対的な自信と揺るがなさを、安定した構図
で表現している。(後半、彼の自我が崩壊していくにつれ、このアングルは無くなっていく)
対して冒頭の長回しもそうだが、事態が変動する場面では俯瞰の画を多用し、逆三角の
構図で不安感を煽る。 表現主義的とも言えるライティングは、今観るとやや古めかしく
見えるのだが、当時はスタイリッシュで挑戦的だったのだろう。(冒頭の長回しパート。
クレーンカメラを積んだ車だろうが、夜の道を移動中、何度も光の方向が変わるのに、
一度たりとも影が出ないようライティングされているのに気づく。むむう。)
ヘンリー・マンシーニの起用はこのノワール劇にはそぐわないと思ったが、そのラテン
なメロディーが妙な妖しさを醸し出す。それが狙い通りなのか、たまたまなのかは不明。
当然の連想だが、クインランは『夜の大捜査線』のロッド・スタイガーを彷彿とさせるし
デニス・ウィーバー演じる不審な管理人は『サイコ』のアンソニー・パーキンスを思わせる。
直接の影響とまでは言わないが、「オーソン・ウェルズ的」なものには、強い伝染性がある。
なにしろ強烈な印象を…


- この2次元バーコード(QRコード)をケータイ(※)で撮るだけで、今見ている作品ページをケータイで見ることができます!
(C)2003 Universal Studios.All Rights Reserved.
- ※記載内容は商品によって異なる場合があります。






























