
★4つ半 ★★★★☆
投稿者:カッちん 2010年5月12日
流石に内容が濃いです。全く飽きません。
今の時代は映像やCGで映画の魅力を上げますが、まさにこの映画はオーソン・ウェルズの魅力が詰まった映画だと思います。
1.イントロから格好良い。
2.まるで100貫デブでド迫力のハンク警部(オーソン・ウェルズ)と、メキシコ人麻薬捜査官のヴァルガス(チャールトン・ヘストン)の確執。
3.脇を固める豪華キャスト・・・ジャネット・リーやマレーネ・ディートリッヒ。
4.カメラワーク、ストーリー、迫力等完璧に近い。
話変わりますがオーソン・ウェルズはやたらと金と時間をかけ、扱いにくい監督だと思われていたらしいです。そのため風評を払拭するために限られた予算と期間内で映画を撮影することに尽力した映画がこの黒い罠らしいです。。。約90万ドルの制作費、39日で撮影を完了という映画にしては、凄く優れた素晴らしい名作だと思います。
かの有名な長回し ☆☆☆☆☆
投稿者:neko 2010年3月22日
技術的なことはよく分からないけれど、この有名な冒頭の長回しは何度も繰り返して観てしまった。時計をセットするような手が映り、その人物が車に駆け寄る。そして車の持ち主が来て、車は走り出す。車と、バーガス刑事夫婦が歩く、そして…。
何度観てもドキドキする。どんどん緊張が高まる感じ。
“カチカチと音がする”、“頭からカチカチという音が離れないの!”
甲高く叫ぶ女性の声が妙に印象的で観終わった後も私の頭から離れない。
オーソン・ウェルズの醜くだぶついた巨体。これでもかとアップになる顔。
いちいち怖い。ただ実際にはこんなに太っていなくて、詰めものや写し方で巨体に見せていたと知ってびっくり。
男同士のプライドがぶつかり合うサスペンス。
ラストまで目が離せず、とても面白い映画でした。
第2の殺人が起きるシーン。
横たわるバーガス夫人を捉えるショット。
ベッドの枠の渦巻き模様が、まるで巻き込まれた彼女を表してるようですごかった。
ラストの静かに立ち去るターニャ(マレーネ・ディートリッヒ)がこれまた格好いい!!
見所たくさん、何度観ても新しい発見がありそうな映画です。
ラストでふと、考えてしまうところもまた癖になりそうな映画ですね。
とても面白かったです。
独特の雰囲気の中でオーソン・ウェルズの重厚な存在感 ★★★☆☆
投稿者:レイモンド・ウダ 2009年11月12日
オーソン・ウェルズ、というと晩年は日本では英会話教材の朗読で知られ、雑誌の見開き広告にひげの老人として描かれていたのが印象的。しかし実は、「市民ケーン」で世界をあっと言わせた名優・名監督であることは遠く忘れ去られようとしている。この映画でも堕落した警察官として醜い姿をメイクアップで強調し、これ、本当にオーソン・ウェルズ?と思うほどだが、外見はともかくとして映画全体を通して存在感は大きく、結局見終わって印象に残るのはオーソン・ウェルズだけ。おや、こんなところにチャールトン・ヘストンが出ている、と驚くが、「ベン・ハー」でアカデミー賞を取る前年の作品だからヘストンの絶頂期のちょっと前。また「ゲスト出演」として突然マレーネ・ディートリッヒが現れ、この人も大スター振りを発揮。映画通の人なら、出演した映画よりも結婚・離婚の回数で有名なザ・ザ・ガボールがものの1分出演してるのを見るのも楽しい。
個性的な映画だ。架空に設定されたアメリカ・メキシコの国境の町、というのが独特の雰囲気をかもし出している。夜のシーンが多いのが理由の一つであろう。
映画通の人にお奨めの一作だと思う。
先駆者ウェルズ ★★★★★
投稿者:King Lear 2007年12月14日
車の爆破事件に関わる陰謀を暴こうとする調査員をC・ヘストンが演じ、妻役のJ・リーもモーテルで拉致され行方がわからなくなり、殺人事件に巻き込まれる、そんな複雑に絡み合ったストーリーがフィルム・ノワールなんですね。
典型WASPのヘストンが髪を黒に染め肌もやや暗めにして時折スペイン語を話させてメキシコ人を演じさせているのが監督ウェルズのジョークなのでしょうか、また劇中、アメリカ人の刑事に「本当にメキシコ人か、英語がうますぎる」というようなセリフで笑わせます。
ウェルズ自身の怪演もさることながら、彼の汗が飛び散ってきそうな画面いっぱいに広がる迫力の映像は必見ですね。
また、M・デートリッヒやジャジャ・ガ・ボールなどのカメオ出演がいかにも彼のお遊びっぽくて粋な演出です。スピルバーグの初期作品「激突」のD・ウィーバーがモーテルの変な使用人で出演しており、登場人物にも個性が見られ、さすが先駆者ウェルズとうなる作品で、「深夜の告白」と同様フィルム・ノワールの傑作です。
[ネタバレ]恐るべき傑作(重大なネタバレあり) ★★★★☆
投稿者:よふかし 2007年12月6日
恐るべき作品である。
しかも、これだけ面白いのに、オーソン・ウェルズが意図した通りの作品ではないのだから驚いてしまう。
『市民ケーン』という映画史上の傑作を創りながら、ハリウッドと対立し不遇を囲い、存在感のある俳優として糊口をしのがざるを得なかったウェルズが、久しぶりにメジャーのユニヴァーサルでメガホンを取ったのは、主演のチャールトン・ヘストンの口利きであったと言われる。
撮影自体はなかなか順調であったそうだが、結局、『偉大なるアンバーソン家の人々』や『上海から来た女』と同様、スタジオサイドに編集権を奪われ追加シーンなど勝手に撮影・挿入され、不本意な形で公開された(なぜこうしたことが起きるのかは、詳しくは『オーソン・ウェルズ偽自伝』文藝春秋等を参照)。
その公開版を含め、いまでは『黒い罠』には数バージョンが存在するらしい。実のところこのDVDがどのバージョンなのか、僕には判別がつかないのだが(98年再編集の111分版に近いような気がする)、冒頭にウェルズの遺したメモを基に再編集したという主旨の記載がある。
目立つ変更点としては、以前出ていたビデオでは冒頭の長回しに重ねられていたタイトル・クレジットがなくなっているほか、シーンがより寸断され再構成され、映画はより混沌としてけたたましく、うねるような熱気を感じさせるものになっている。メモを基にした編集でこれだけの作品になるなら・・・とないものねだりをしたくなってしまうのである。
冒頭の長回しは映画史に輝く傑出したもので、アルトマンの『ザ・プレイヤー』には見出せない躍動感に溢れ、爆発とともに手持ちカメラと登場人物が走り出す瞬間は息を呑むほど素晴らしいと思う。また、疑われた男の部屋でダイナマイトが発見される際の長回しも超絶的で、ただの「フレームから次のフレームへの移動の連続」に堕ちてはいない(『ザ・プレイヤー』は…


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