解説
19世紀半ばのシチリアを舞台に、国王の代理として領地を統治する副王家の末裔である名門貴族が、激動の時代の中で繰り広げる骨肉の愛憎劇を華麗に綴る一大叙事詩。イタリア統一を目前にしたスペイン・ブルボン王朝支配下のシチリア。副王家の末裔、ウゼダ家では、当主ジャコモが絶大な権力を振るい、一族に対しても封建的で横暴な支配を繰り返していた。民主化の波に呑まれ、貴族社会も終焉を迎える中、権力に固執するジャコモは権謀術数を用い、娘さえも権力の道具として巧みに時代の荒波を乗り切っていく。自由な生き方に憧れる嫡男コンサルヴォは、そんな父に反発を強めていく一方、逃れられない御曹子としての宿命に葛藤を募らせていくが…。

イタリア貴族の大河ロマン (ネタバレあり) ☆☆☆☆☆
投稿者:よふかし 2011年10月5日
この映画はたしか一昨年劇場公開された作品。現代史を背景にした、イタリア貴族の一族を描いた大河ロマンなんて、珍しいので嬉しくて見に行きました。間もなくdvdもリリースされたんですが、なぜかdiscasには入荷しなかった。
今回見直してみましたが、やはりなかなか楽しめる作品だと思います。題材の似たヴィスコンティ『山猫』をつい思い出してしまいますが、あれほどの傑作には並ぶべくもないですが、十分、エンタテインメントとして楽しめる秀作ではないかと思います。
副王家というのは、統一前の小王国が割拠していたイタリアで、王家の補佐を務めて政治を執り行う一族のこと(言わば摂政みたいなもの)。主人公の少年コンサルヴォの一家は、ブルボン家のシチリア王国の副王家で、党首の祖母が死んで遺産争い、遺言状をめぐる確執が起こるところから映画は始まります。
副王家なんて言って威張っていても、結局は金と色の欲望に満ちた俗物に過ぎないことがコンサルヴォの眼を通じて描かれていきます。一族内での権力闘争は父親のジャコモが勝利し、独裁的な強権を敷きます。コンサルヴォはちょっと空気を読まないところがあって、父の逆鱗に触れ、結局修道院に放り込まれてしまう(政治と宗教の深いかかわりも面白い)。そうすると、ベネディクト派修道院も、ほとんどの修道士が色と欲に堕落していて、深夜の礼拝は貧しい宗派に金を払って代行してもらっていたりしておかしいです。
ここまでの「少年時代」編は冒頭30分ほどで、テンポもよく、ユーモアをまじえながら複雑な人間関係も手際よく描いていく、ひじょうに手堅い手腕を感じさせます。このあと時は七年後に飛び、修道院にガリヴァルディがやってくるなどイタリアは革命、統一の激動期に入り、ますます妄執的になっていく父親とコンサルヴォの確執や、妹の政略結婚をめぐる悲劇などが壮大なスペクタクルをまじえながら描かれていきます…
副王家の一族


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